若い世代が東京から地方移住の先頭に【Youth leading exodus from Tokyo to countryside】

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Step1:全体リーディング

【説明を表示】

Youth leading exodus from Tokyo to countryside

The pandemic has caused many, especially young people and women, to consider escaping cramped, overpriced, and overworked lifestyles in greater Tokyo and moving to rural areas. The government supports this trend, which it hopes will help close Japan’s urban-rural population and income divide.

Step2:重要単語と語句

exodus(名)脱出、移動、移住

pandemic(名)感染症の世界的流行

cramped(形)窮屈な

divide(名)相違、隔たり

Step3:ミニ解説

◆ Youth leading exodus from Tokyo to countryside 若い世代が東京から地方移住の先頭に

英文記事のタイトルでは冠詞やBe動詞を省略する傾向があります。

通常の英文に直すと以下のようになります。(  )が変更・補足した箇所です。

(The) (y)outh (are) leading (an) exodus from Tokyo to countryside.

「youth」は集合的に「若者たち、若い世代の人々」を表し、複数形で扱います。

「lead an exodus」で「移住をリードする、率先して移住する」という意味なので「地方移住の先頭に」と訳しています。

「exodus(移動、移住)」は、旧約聖書でイスラエル人が圧政のエジプトから脱出した「出エジプト記(Exodus)」より、「大勢の人の出国、移動」を表す言葉として使われます。

◆ The pandemic has caused many, especially young people and women, to consider  コロナ禍をきっかけに多くの人々、特に若者と女性が検討している、

「The pandemic has caused many … to consider. ..」は「主語 + cause A to consider B(AにBを検討させる)」という構文です。

Aに目的語の名詞「many(多くの人々)」、Bに後述の動名詞「escaping(逃れること)」と「moving(移住すること)」が入ります。

「pandemic」という語自体は「感染症の世界的流行」という意味ですが、この記事では「コロナウィルスの世界的流行」のことなので「コロナ禍」としています。

現在完了形「has caused」は、ここでは継続の意味を持ち、状況が現在も続いていると解釈します。

「many」は「多くの人々」という意味の名詞で使われています。

「young people and women」の「young」は「people」のみを修飾するので、「若者(男女両方)」+「女性」となります。

「コロナ渦が多くの人々、特に若者と女性に検討させている」というのが文法に沿った直訳ですが、日本語として自然になるよう「コロナ渦をきっかけに…」と意訳しています。

◆ escaping cramped, overpriced, and overworked lifestyles in greater Tokyo 首都圏での窮屈で物価高で働き過ぎのライフスタイルから逃れ、

「cramped(窮屈な)」は「不快なほど狭い」というニュアンスがあり、都会の手狭な住宅や満員電車の様子を指しています。

「greater Tokyo」は、東京都とその周辺の広域圏のことで、「首都圏」と訳しています。 

直後の「and moving to rural areas(そして田舎へ移住することを)」までが前述の動詞「consider(検討する)」の目的語になっています。

つまり「(都会を)逃れて ⇒(田舎へ)移住する」という一連の行動を示しています。

◆ The government supports this trend, 政府はこの流れを後押ししており、

「trend」は「傾向、流行」という意味ですが、「若い世代の地方移住の動き」を指すので、「流れ」という訳にしています。

◆ which it hopes will help close この流れが埋めるのを助けると期待している、

「it hopes」の「it」は前のチャンクの「The government(政府)」のことです。

この「it hopes」は挿入部ですので、(   )でくくるとわかりやすいです。

「help close」は「help+動詞の原形」で「〜するのを助ける」という意味になります。

◆ Japan’s urban-rural population and income divide. 日本における都会と地方の人口および収入の格差を。

「urban(都会の)」と「rural(田舎の、地方の)」は互いに反意語となっています。

この2つの語をセットで覚えておきましょう。

前のチャンクから始まる「close ~ divide」は「相違、隔たりを縮める」という意味ですので、「格差を埋める」と訳しています。

Step4:スラッシュ・リーディング

【説明を表示】

Youth leading exodus from Tokyo to countryside

The pandemic has caused many, especially young people and women, to consider / escaping cramped, overpriced, and overworked lifestyles in greater Tokyo / and moving to rural areas. / The government supports this trend, / which it hopes will help close / Japan’s urban-rural population and income divide.

Step5:サイトトランスレーション

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和訳例を確認

若い世代が東京から地方移住の先頭に

コロナ禍をきっかけに多くの人々、特に若者と女性が検討している、/ 首都圏での窮屈で物価高で働き過ぎのライフスタイルから逃れ、/ 田舎へ移住することを。/ 政府はこの流れを後押ししており、/ それ(この流れ)が埋めるのに役立つと期待している、/ 日本における都会と地方の人口および収入の格差を。

Step6: 反訳トレーニング

【説明を表示】
解答をチェック!

若い世代が東京から地方移住の先頭に
Youth leading exodus from Tokyo to countryside


コロナ禍をきっかけに多くの人々、特に若者と女性が検討している、
The pandemic has caused many, especially young people and women, to consider

首都圏での窮屈で物価高で働き過ぎのライフスタイルから逃れ、
escaping cramped, overpriced, and overworked lifestyles in greater Tokyo

田舎へ移住することを。
and moving to rural areas.

政府はこの流れを後押ししており、
The government supports this trend,

それ(この流れ)が埋めるのに役立つと期待している、
which it hopes will help close

日本における都会と地方の人口および収入の格差を。
Japan’s urban-rural population and income divide.

Step7:スピード音読

【説明を表示】

Youth leading exodus from Tokyo to countryside

The pandemic has caused many, especially young people and women, to consider escaping cramped, overpriced, and overworked lifestyles in greater Tokyo and moving to rural areas. The government supports this trend, which it hopes will help close Japan’s urban-rural population and income divide.

参考:コロナ下で広がる地方移住 「豊かな生活」考える転機に 朝日新聞:2021年8月10日

https://www.asahi.com/articles/ASP8900V9P81UTFK00C.html

コロナをきっかけに、地方に移り住む人が増えているという。ポストコロナの時代を模索する人々のもとを訪ねた。熊本市内から車で約1時間、雄大な阿蘇山のふもとに南阿蘇村はある。

田園風景が広がる人口約1万人の村は、2016年の熊本地震で大きな被害を受けた。復興に取り組むこの村で、4月から農業を始めた女性がいる。橋本佳奈さん(25)だ。

橋本さんは昨年4月、新卒で大手損保会社に入社し、東京の本社で働き始めた。ところが新型コロナの感染拡大に伴い、直後からテレワークに。「組織の歯車にもなっていない。人の役に立つ仕事ができているのか」と疑問がわくようになった。

そんなとき、「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」という映画を見た。米カリフォルニア郊外で、荒れた農地を開拓して農場を作る夫婦を追ったドキュメンタリー映画だ。自然の循環を大事にする生活に興味をもった。

編集後記

首都東京への「一極集中」を緩和する意味で地方移住の流れを歓迎したいです。

コロナ自粛がきっかけ、というのが何とも皮肉ですが・・・。

さて、今回の英語ニュースの元になったのは「The Washington Post」の記事です。

Goodbye, city life. Green acres in Japan beckon as pandemic shifts priorities.

この記事で紹介されている「Heroines for Environment and Rural Support (HERS)」、日本語名を検索したら次の公式サイトがヒットしました。

NPO法人田舎のヒロインズ http://inakano-heroine.jp/

農村に暮らす主に女性たちの受信力と発信力の向上を目指すため、2年に1度の全国集会や、農業研修の受入、情報誌のコラム執筆、各種人材育成プログラム等、情報交換・発信に取り組んでいる。(公式サイトより引用)

1994年3月に「田舎のヒロインわくわくネットワーク」の名称でゆるやかなネットワークとして結成されたとのこと。

活動目的が「農家の女性の発信力アップ」というのがわかりやすくて良いですね。

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