毎日できる通訳式訓練法:シャドーイング

聞き取った英語のすぐ後で、影 (shadow) のように少しずつ遅れて音読する練習を「シャドーイング(shadowing)」といいます。

文字に頼らず耳を鍛えるため、通常はテキストを見ないで行ないます。以下のようなイメージです。

ネイティブ音声:A monster bluefin tuna sold on Saturday
学習者(自分):        A monster bluefin tuna sold on Saturday

流れてくる英語を瞬時に理解し、そっくりマネをせねばならないのでなかなか難しいのですが、繰り返すと次のような効果があります。

  • 強弱のリズムとイントネーション(抑揚)が身に付く
  • 自己流発音の改善に役立つ
  • リテンション(暗記)の能力が上がる
  • 英語のスピードに慣れてリスニング力が向上する

シャドーイングしてみよう

では、次の英語ニュース素材を使ってシャドーイングを練習してみましょう。まずはテキストをごらんください。

DPJ suffers crushing defeat in general election

The largest opposition Liberal Democratic Party scored a landslide victory in Sunday’s general election, while the ruling Democratic Party of Japan suffered a crushing defeat that reduced its seats to 57 from 230.

初級レベルの学習者の方

シャドーイング訓練にはスロースピードのネイティブ音声を使用します。

シャドーイングは本来、テキストを見ないで練習するものですが、最初は英文を目で追いながらスピードやリズムをつかんでいきます。

ただし、テキストに頼ると「耳でネイティブの声を聞いてマネる」という本来の目的を忘れがちになるので要注意です。

ひたすらテキストを音読するのではなく、耳で聞いた音を追いかけて読んでいきましょう。

何度か練習して慣れたら、今度はテキストを見ないで音だけを頼りにシャドーイングします。つまずいたらテキストで文字を確認し、すらすらついていけるまで何度も繰り返してください。

♪ 【スロースピード】

中級レベル以上の学習者の方

ナチュラルスピードのネイティブ音声を使用し、テキストを見ないでシャドーイングします。

読まれた瞬間に英文の意味を理解し、発音やイントネーション、リズムを正確にマネしながら音読するのがポイントです。

あやふやな個所があったらテキストを見て確認し、再びテキストを使わずにシャドーイングを繰り返します。

余力のある場合は、慣れてきたら【1.3倍速のスピード】で同様にトライしてみてください。

♪ 【ナチュラルスピード】

♪ 【1.2倍速のスピード】

マンブリングとサイレント・シャドーイング

小さな声でボソボソとつぶやくように行なうシャドーイングを「マンブリング(mumbling)」といいます。

音声教材のスピードが速くてシャドーイングではついていけないときや、大人数で練習するときに役立つ手法です。

また、声を全く出さないで口元だけを動かして練習する方法を「サイレント・シャドーイング(silent shadowing)」といいます。

乗り物の中など、声を出せない環境のときはこの方法がお勧めです。

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