宮田笙子が日本代表を辞退【Shoko Miyata Withdraws from the National Team】

【中級脱出のリスニング特訓!】Topicの背景

体操女子代表の宮田選手が、飲酒と喫煙の発覚を理由にパリ五輪出場を辞退しました。

日本体操協会の行動規範では「日本代表チームとしての活動中は、20歳以上でも原則的に喫煙、飲酒は禁止」とのこと。

「厳しい」という声がある一方、宮田選手の違反は1回だけではないという指摘も出ています。

いずれにしても、体操女子にとってはキャプテンの欠場が痛手となりそうで残念です。

今回は、このテーマで英語ニュースをお届けします。

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Step1:全体リスニング

まずは英語ニュース全体の要点を理解するリスニング訓練です。

「誰が(Who)」「何をしたのか(What)」「なぜ(Why)」の答えを探しながら聞きましょう。

1回目で答えがわからないときは、最大3回まで音声を再生しましょう

【ナチュラルスピード】

英文

Shoko Miyata Withdraws from the National Team


Teen gymnast Shoko Miyata withdrew from the national team for the Paris Olympics.

She admitted to violating the team’s code of conduct by smoking and drinking.

Her coach said she was facing extreme pressure to deliver top performances.

Miyata was the captain of the women’s artistic gymnastics team.

She was ordered to return to Japan from Monaco, where the team was training.

Some observers argue the decision to remove her from the squad is too severe.

和訳

宮田笙子が日本代表を辞退


10代の体操選手、宮田笙子がパリ五輪の日本代表を辞退した。

彼女は喫煙と飲酒によりチームの行動規範に違反したことを認めた。

彼女のコーチは、最高のパフォーマンスを発揮するために彼女が極度のプレッシャーにさらされていたと述べた。

宮田選手は女子体操チームのキャプテンだった。

彼女はチームの合宿先のモナコから日本に戻るよう指示された。

一部の観測筋は、彼女をチームから外す決定は厳しすぎると主張している。

質問の解答例

誰が(Who): 10代の体操選手・宮田笙子が(Teen gymnast Shoko Miyata

何をしたのか(What): パリ五輪の日本代表を辞退した、(withdrew from the national team for the Paris Olympics

なぜ(Why):喫煙と飲酒によりチームの行動規範に違反したから。(for violating the team’s code of conduct by smoking and drinking.

Step2:重要単語と語句

音声を再生し、強勢のある母音(=大きな赤文字)を意識しながら次の手順で練習しましょう。

①「単語の綴りと意味」を見ながら音声をリピートし、意味を確認。

②「単語の綴りと意味」を閉じて音声をリピートし、一時停止して和訳。

単語の綴りと意味

withdraw /wɪðˈdrɔ/(動)辞退する・撤回する

gymnast /ˈdʒɪmnæst/(名)体操選手

artistic /ɑrˈtɪstɪk/(形)芸術的な

gymnastics /dʒɪmˈnæstɪks/(名)体操

squad /skwɑd/(名)チーム・隊

Step3:リッスン&リピート

1文ずつ区切ったスロー音声を再生し、文字を見ずにリピートしましょう。最大3回まで音声を流してOKです。

できれば、リピートした直後に英文をディクテーション(書き取り)してみましょう。

次に英文を確認し、リピートやディクテーションを間違っていた箇所がないか確認してください。

今度は「母音のストレス・音の連結・止める子音」などの発音ルールに気をつけて音声を再生し、文字を見ながらゆっくり正確に2〜5回リピートしましょう。

その後、文字を見ないで2回正確にリピートできたらOKです。

▶和訳を見る前に、理解度クイズにもぜひ挑戦してください。

なお、英文のスラッシュはStep4の和訳用です。音読のときは、スラッシュで区切らず一文を一気に読み上げてください。

Step4:サイトトランスレーション(スラッシュ和訳)

スラッシュで区切った英文を表示し、区切りごとに日本語に訳します。後ろから返り読みせず、英語の語順のまま読み進めてください

この訳し方を「サイト・トランスレーション」といいます。英語の語順のまま理解する習慣がつくと、英文を読むスピードが格段に速くなります。

まず自分で訳してから和訳例と比較してみましょう。意味が違っていた箇所は、語彙と文法構造を確認し、間違った原因を明らかにする必要があります。

Step5:反訳トレーニング(和文英訳)

今度は、和訳のみを見ながら元の英文を口頭で再現する「反訳トレーニング」に挑戦しましょう。

その際、英文テキストと全く同じでなくても、意味がほぼ同じで文法的にも正しければOKです。

余力があれば、単語の一部を入れ替える「パラフレーズ」練習もやってみましょう。

1)

スラッシュ英文と理解度クイズ

大きな赤い文字:強勢(=アクセント)のある母音

下線:音の連結 ( ):子音の脱落  ■t,d,k,g,p,b:子音の飲み込み

Teen gymnast Shoko Miyata / withdrew from the national team / for the Paris Olympics.


Q) 「Olympics」を2単語に分けて言い換えてみよう。

スラッシュ和訳

10代の体操選手、宮田笙子が / 日本代表を辞退した、/ パリ五輪に向けた。

⇒ 10代の体操選手、宮田笙子がパリ五輪の日本代表を辞退した。

クイズの解答と解説

A) (the) Olympics ⇒ (the) Olympic Games

▶いずれも冒頭に定冠詞の「the」が付き、語尾が複数形になります。

2)

スラッシュ英文と理解度クイズ

大きな赤い文字:強勢(=アクセント)のある母音

下線:音の連結 ( ):子音の脱落  ■t,d,k,g,p,b:子音の飲み込み

She admitted / to violating the team’s code of conduct / by smoking and drinking.


Q) 動詞「admitted」を似た意味の動詞に置き換えてみよう。

スラッシュ和訳

彼女は認めた、/ チームの行動規範に違反したことを、/ 喫煙と飲酒により。

⇒ 彼女は喫煙と飲酒によりチームの行動規範に違反したことを認めた。

クイズの解答と解説

A) admitted confessed

▶いずれの動詞も「(認めたくない不都合な事実を)自分がやりました、と白状する」という意味合いがあります。

3)

スラッシュ英文と理解度クイズ

Her coach said / she was facing extreme pressure / to deliver top performances.


Q) 動詞「deliver」を似た意味の動詞に置き換えてみよう。

スラッシュ和訳

彼女のコーチは述べた、/ 彼女が極度のプレッシャーに直面していたと、/ 最高のパフォーマンスを発揮するための。

⇒ 彼女のコーチは、最高のパフォーマンスを発揮するために彼女が極度のプレッシャーにさらされていたと述べた。

クイズの解答と解説

A) deliver ⇒ give / exhibit / display

▶この文脈ではいずれも動詞も同様の意味で使えます。

4)

スラッシュ英文と理解度クイズ

Miyata was the captain / of the women’s artistic gymnastics team.


Q) 五輪の「体操(競技)」の英訳を「gymnastics」ではなく「artistic gymnastics」とする理由は?

スラッシュ和訳

宮田選手はキャプテンだった、/ 女子体操チームの。

⇒ 宮田選手は女子体操チームのキャプテンだった。

クイズの解答と解説

A) 五輪には「gymnastics」という単語の入る種目が数種類あり、「体操競技」を指すことを明確にするため「artistic gymnastics」という名称を使用している。

▶ 国際競技連盟の分類は以下の通りです。

Artistic Gymnastics(体操競技): 床運動、跳馬、あん馬、つり輪、平行棒、鉄棒、平均台などがあります。

Rhythmic Gymnastics(新体操): リボン、フープ、ボール、クラブなどの手具を使用し、音楽に合わせて演技を行います。

Trampoline Gymnastics(トランポリン): トランポリンを使用して、空中での演技を行います。

5)

スラッシュ英文と理解度クイズ

She was ordered / to return to Japan / from Monaco, / where the team was training.


Q) 関係副詞「where」を使わずに、英文を2つに分けてみよう。

スラッシュ和訳

彼女は指示された、/ 日本に戻るように、/ モナコから、/ チームがトレーニングしていた場所である。

⇒ 彼女はチームの合宿先のモナコから日本に戻るよう指示された。

クイズの解答・解説

A) She was ordered to return to Japan from Monaco, where the team was training.

⇒ She was ordered to return to Japan from Monaco.  The team was training there.

▶ 場所を示す副詞「there(その場所で)」を2文目の文末に入れます。

6)

スラッシュ英文と理解度クイズ

Some observers argue / the decision to remove her / from the squad / is too severe.


Q) 名詞「squad」を同様の意味の名詞に置き換えてみよう。

スラッシュ和訳

一部の観測筋は主張している、/ 彼女を除外する決定は、/ チームから、/ 厳しすぎると。

⇒ 一部の観測筋は、彼女をチームから外す決定は厳しすぎると主張している。

クイズの解答・解説

A) squad team

▶いずれも「チーム」という意味の単語で置き換えが可能です。

Step6:オーバーラッピング&シャドーイング

【スロースピード】

英文

Shoko Miyata Withdraws from the National Team


Teen gymnast Shoko Miyata withdrew from the national team for the Paris Olympics.

She admitted to violating the team’s code of conduct by smoking and drinking.

Her coach said she was facing extreme pressure to deliver top performances.

Miyata was the captain of the women’s artistic gymnastics team.

She was ordered to return to Japan from Monaco, where the team was training.

Some observers argue the decision to remove her from the squad is too severe.

上記の英文を表示しながらスロースピードの音声を通しで再生し、自分の声をかぶせてオーバーラッピングします。回数の目安は5回です。

余力があれば、次に英文を閉じて音声を再生し、1,2語遅れで追いかけるシャドーイングに挑戦しましょう。こちらも5回を目安にしてください。

Step7: 仕上げの全体リスニング

【ナチュラルスピード】

最後に、英文を見ない状態でナチュラル・スピードの英語ニュースを通しでもう一度聞いて仕上げましょう

途中、聞き取りにくい箇所があったら前のStepに戻って内容を確認してくださいね。

無料企画「穴埋めディクテーション」の正解と解説・成績発表

ここからはメルマガ企画「穴埋めディクテーション」の正解と解説・成績優秀者の発表です。

上記の英語ニュースを公開する前に、メルマガ読者さんを対象に以下の要領で英文のディクテーションQuizを出題しました。

現在の英語力を語彙力・文法読解・発音力の点から客観的に測定する作業」です。英語ニュースの音声を聞き、各空欄に入る英文を正確に書き取ってください。

空欄に入る箇所は、途中で止めずに一気に聞かないと訓練の効果がありません。また、聞く回数はできれば2回以下、最大5回程度を目安にしてください。

5回聞いてわからない箇所は「今の英語力では正確に聞き取れない箇所」です。そこを自分の弱点だと理解し、解答を見て原因を分析するのが上達の近道です。

>> 答案採点のチェックポイント

▶メルマガ企画「穴埋めディクテーションQuiz」答案と成績発表

メルマガ読者の皆様、答案ご提出とコメントありがとうございました!詳細は上記リンクをクリックするとご覧になれます。

満点(リスニング回数「2回以内」の条件付)の割合と各設問の正答率
満点率 Q1の正答率 Q2の正答率 Q3の正答率
7% 15% 49% 53%

※各設問の正解率はリスニング回数を反映しておらず、3回以上聞いた場合も含まれています。

▶最優秀賞(100点):4名 

ディクテーション答案の講評

今週のディクテーションQuizは、設問1)の正解率が15%と低めでした。

キーワードの「withdrew(辞退した)」を聞き取れなかった人が多いのが理由です。

これは英語ニュースの頻出単語であり、米大統領戦関連の記事でも「President Biden withdrew from the reelection race.(バイデン大統領が再選を狙う大統領選から撤退した。)」のように使います。

英文記事を理解するにはB1以上の読解力が必要です。そのレベルに達している人は、普段からInput量を増やして語彙を補強しましょう。

各設問の間違いやすいポイントをまとめましたので、詳細は下記をご覧ください。

設問1)Teen gymnast Shoko Miyata (              ).

正解と答案分析

Teen gymnast Shoko Miyata (withdrew from the national team for the Paris Olympics).

主な不正解事例)

▶「withdrew(撤退する:過去形)」という単語を知らず「was through」などと想像で書いてしまった。

⇒ 「withdraw – withdrew – withdrawn(不規則変化)」はニュース英語によく出る動詞で、今回のTopicのキーワードです。

※ 詳細は上記「Step3) , Step4)」の解説をご覧ください。

設問2)She admitted to violating the team’s (              ).

正解と答案分析

She admitted to violating the team’s (code of conduct by smoking and drinking).

主な不正解事例)

▶「code of conduct(行動規範)」という表現を知らなかった。

⇒ あまり馴染みのない表現かもしれませんが、音を注意深く聞き取れば正確に書ける部分です。文脈から意味を類推する読解力も必要です。

※ 詳細は上記「Step3) , Step4)」の解説をご覧ください。

設問3)Her coach said she was (              ).

正解と答案分析

Her coach said she was (facing extreme pressure to deliver top performances).

主な不正解事例)

▶「 extreme(極度の)」や「 deliver(実行する)」のスペルミスがあった。

⇒ いずれも英語ニュースの基本語彙なので綴りをきちんと覚えましょう。

※ 詳細は上記「Step3) , Step4)」の解説をご覧ください。

いかがでしたか。不正解箇所のある人は、間違えた原因をしっかり分析して今後につなげましょう。次回のディクテーションQuizもふるってご参加ください。

参考記事

宮田笙子が日本代表を辞退:10秒スピーチ

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