立ったままの接客に改善を要望【Request to Improve Standing Jobs】

【中級脱出のリスニング特訓!】Topicの背景

「座ってちゃダメですかプロジェクト」ってご存じでしたか?

スーパーなど、接客業の労働環境を改善するための有志の活動です。

海外では、座ったままのレジ打ちが一般的だそうですが、日本では立ったままですよね。

大学生のとき、レストランの接客バイトで長時間立っているのが辛かったのを思い出しました。

今回は、このテーマで英語ニュースをお届けします。

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Step1:全体リスニング

まずは英語ニュース全体の要点を理解するリスニング訓練です。

「誰が(Who)」「何をしたのか(What)」「なぜ(Why)」の答えを探しながら聞きましょう。

1回目で答えがわからないときは、最大3回まで音声を再生しましょう

【ナチュラルスピード】

英文

Request to Improve Standing Jobs


The “Isn’t it OK to sit down?” project is run by Tokyo-area volunteers.

It aims to improve work conditions for Japan’s customer service employees.

Labor ministry regulations require businesses to provide chairs for workers.

Some industries, however, do not permit them to sit.

In late May, project members urged the ministry to improve the situation.

The official in charge agreed to investigate service workers’ conditions.

In other countries, cashiers commonly sit while working.

Yet, this practice is not common in Japan.

和訳

立ったままの接客に改善を要望


「座ってちゃダメですか」というプロジェクトは、首都圏のボランティアによって運営されている。

これは、日本の接客業従業員の労働条件を改善することを目的としている。

厚労省の規則は、企業が労働者に椅子を提供することを求めている。

しかし、中には彼ら(労働者)が座ることを許可していない業界もある。

5月下旬に、プロジェクトのメンバーは省に状況の改善を強く求めた。

担当者は、サービス業従業員の状況を調査することに同意した。

諸外国では、レジ係が座って仕事をすることが一般的である。

が、この慣行は日本では一般的ではない。

質問の解答例

誰が(Who): 「座ってちゃダメですか」プロジェクトのメンバーが(”Isn’t it OK to sit down?” project members)

何をしたのか(What): 厚労省に接客業従業員の労働条件を改善するよう求めた。(urged the labor ministry to improve service workers’ conditions.)

なぜ(Why):中には、彼らが座ることを許可していない業界もあるため。(Some industries do not permit them to sit.)

Step2:重要単語と語句

音声を再生し、強勢のある母音(=大きな赤文字)を意識しながら次の手順で練習しましょう。

①「単語の綴りと意味」を見ながら音声をリピートし、意味を確認。

②「単語の綴りと意味」を閉じて音声をリピートし、一時停止して和訳。

単語の綴りと意味

regulation /ˌrɛɡjəˈleɪʃən/(名)規則、規制

require /rɪˈkwaɪər/(動)必要とする、要求する

investigate /ɪnˈvɛstɪˌɡeɪt/(動)調査する

cashier /kæˈʃɪr/(名)レジ係

Step3:(ディクテーション+)リッスン&リピート

1文ずつ区切ったスロー音声を再生し、文字を見ずにリピートしましょう。最大3回まで音声を流してOKです。

できれば、リピートした直後に英文をディクテーション(書き取り)してみましょう。

次に英文を確認し、リピートやディクテーションを間違っていた箇所がないか確認してください。

今度は「母音のストレス・音の連結・止める子音」などの発音ルールに気をつけて音声を再生し、文字を見ながらゆっくり正確に2〜5回リピートしましょう。

その後、文字を見ないで2回正確にリピートできたらOKです。

▶和訳を見る前に、理解度クイズにもぜひ挑戦してください。

なお、英文のスラッシュはStep4の和訳用です。音読のときは、スラッシュで区切らず一文を一気に読み上げてください。

Step4:サイトトランスレーション

スラッシュで区切った英文を表示し、区切りごとに日本語に訳します。後ろから返り読みせず、英語の語順のまま読み進めてください

この訳し方を「サイト・トランスレーション」といいます。英語の語順のまま理解する習慣がつくと、英文を読むスピードが格段に速くなります。

まず自分で訳してから和訳例と比較してみましょう。意味が違っていた箇所は、語彙と文法構造を確認し、間違った原因を明らかにする必要があります。

1)

スラッシュ英文と理解度クイズ

大きな赤い文字:強勢(=アクセント)のある母音

下線:音の連結 ( ):子音の脱落  ■t,d,k,g,p,b:子音の飲み込み

The “Isnt it OK to sit down?” project / is run / by Tokyo-area volunteers.


Q1) 不規則動詞「run」の現在形・過去形・過去分詞形の変化は?また、この英文ではどれが使われている?

Q2) この英文を能動態に変更してみよう。

スラッシュ和訳

「座ってちゃダメですか」というプロジェクトは、/ 運営されている、/ 首都圏のボランティアによって。

⇒ 「座ってちゃダメですか」というプロジェクトは、首都圏のボランティアによって運営されている。

クイズの解答と解説

A1)  不規則変化:run – ran – run  ⇒ この英文では受動態の過去分詞

A2) Tokyo-area volunteers run the “Isn’t it OK to sit down?” project.

▶ 受動態の「by以降(行為者)」が能動態の主語になり、受動態の主語が能動態の目的語になります。

2)

スラッシュ英文と理解度クイズ

大きな赤い文字:強勢(=アクセント)のある母音

下線:音の連結 ( ):子音の脱落  ■t,d,k,g,p,b:子音の飲み込み

It aims to improve / work conditions / for Japan’s customer service employees.


Q) 「employee(従業員)」の逆の意味の名詞と派生語の動詞は?

スラッシュ和訳

それは改善を目的としている、/ 労働条件を、/ 日本の接客業従業員の。

⇒ これは、日本の接客業従業員の労働条件を改善することを目的としている。

クイズの解答と解説

A) 逆の意味の名詞:employer(雇用主),  動詞:employ(雇用する)

▶「employee」と「employer」は母音の強勢の位置が異なるので注意しましょう。

3)

スラッシュ英文と理解度クイズ

Labor ministry regulations / require businesses / to provide chairs / for workers.


Q1) 時制が「require」と現在形になっている理由は?

Q2) この「businesses」をほぼ同じ意味の別の単語に置き換えてみよう。

スラッシュ和訳

厚労省の規則は、/ 企業に求めている、/ 椅子を提供することを、/ 労働者たちに。

⇒ 厚労省の規則は、企業が労働者に椅子を提供することを求めている。

クイズの解答と解説

A1) 現在形にすべき理由:この規則が現在も有効であり、継続的な事実を述べているから。

▶ 現在形を使うことで、現在の状態や一般的な真実を表現しています。

A2) companies, firms

▶「business(企業・会社)」は可算名詞なので、この文脈では複数にするのが適切です。

4)

スラッシュ英文と理解度クイズ

Some industries, / however, / do not permit them / to sit.


Q) 「permit」を同様の意味の別の単語に置き換えてみよう。

スラッシュ和訳

一部の業界は、/ しかしながら、/ 彼らに許可していない、/ 座ることを。

⇒ しかし、中には彼ら(労働者)が座ることを許可していない業界もある。

クイズの解答・解説

A) allow

▶いずれも「許可する」という意味の他動詞で、目的語が必要です。

5)

スラッシュ英文と理解度クイズ

In late May, / project members / urged the ministry / to improve the situation.


Q) この英文を受動態に変更してみよう。

スラッシュ和訳

5月下旬に、/ プロジェクトのメンバーは、/ 省に強く求めた、/ その状況を改善するよう。

⇒ 5月下旬に、プロジェクトのメンバーは省に状況の改善を強く求めた。

クイズの解答・解説

A) In late May, the ministry was urged to improve the situation by project members.

▶ In late May を文末に置いてもOKです。

6)

スラッシュ英文

The official in charge / agreed to investigate / service workers’ conditions.

スラッシュ和訳

担当の職員は、/ 調査することに同意した、/ サービス業従業員の状況を。

⇒ 担当者は、サービス業従業員の状況を調査することに同意した。

7)

スラッシュ英文と理解度クイズ

In other countries, / cashiers commonly sit / while working.


Q) 「while working」の中で省略されている語句を補ってみよう。

スラッシュ和訳

諸外国では、/ レジ係は通常、座っている、/ 仕事をしているとき。

⇒ 諸外国では、レジ係が座って仕事をすることが一般的である。

クイズの解答・解説

A) while (they are) working.

▶「while(〜している間)」は接続詞なので、後に続くのは「主語+動詞」の節です。

8)

スラッシュ英文と理解度クイズ

Yet, / this practice is not common / in Japan.


Q) 「Yet」を同じ意味合いの別の単語に置き換えてみよう。

スラッシュ和訳

が、/ この慣行は一般的ではない、/ 日本では。

⇒ が、この慣行は日本では一般的ではない。

クイズの解答・解説

A)  Yet ⇒ However

▶「But」に置き換えることも可能ですが、英文記事としては少しカジュアルな文体になります。

Step5:オーバーラッピング&シャドーイング

【スロースピード】

英文
Request to Improve Standing Jobs


The “Isn’t it OK to sit down?” project is run by Tokyo-area volunteers.

It aims to improve work conditions for Japan’s customer service employees.

Labor ministry regulations require businesses to provide chairs for workers.

Some industries, however, do not permit them to sit.

In late May, project members urged the ministry to improve the situation.

The official in charge agreed to investigate service workers’ conditions.

In other countries, cashiers commonly sit while working.

Yet, this practice is not common in Japan.

上記の英文を表示しながらスロースピードの音声を通しで再生し、自分の声をかぶせてオーバーラッピングします。回数の目安は5回です。

余力があれば、次に英文を閉じて音声を再生し、1,2語遅れで追いかけるシャドーイングに挑戦しましょう。こちらも5回を目安にしてください。

Step6: 仕上げの全体リスニング

【ナチュラルスピード】

最後に、英文を見ない状態でナチュラル・スピードの英語ニュースを通しでもう一度聞いて仕上げましょう

途中、聞き取りにくい箇所があったら前のStepに戻って内容を確認してくださいね。

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ここからはメルマガ企画「穴埋めディクテーション」の正解と解説・成績優秀者の発表です。

上記の英語ニュースを公開する前に、メルマガ読者さんを対象に以下の要領で英文のディクテーションQuizを出題しました。

現在の英語力を語彙力・文法読解・発音力の点から客観的に測定する作業」です。英語ニュースの音声を聞き、各空欄に入る英文を正確に書き取ってください。

空欄に入る箇所は、途中で止めずに一気に聞かないと訓練の効果がありません。また、聞く回数はできれば2回以下、最大5回程度を目安にしてください。

5回聞いてわからない箇所は「今の英語力では正確に聞き取れない箇所」です。そこを自分の弱点だと理解し、解答を見て原因を分析するのが上達の近道です。

>> 答案採点のチェックポイント

▶メルマガ企画「穴埋めディクテーションQuiz」答案と成績発表

メルマガ読者の皆様、答案ご提出とコメントありがとうございました!詳細は上記リンクをクリックするとご覧になれます。

満点(リスニング回数「2回以内」の条件付)の割合と各設問の正答率
満点率 Q1の正答率 Q2の正答率 Q3の正答率
25% 55% 66% 50%

※各設問の正解率はリスニング回数を反映しておらず、3回以上聞いた場合も含まれています。

▶最優秀賞(100点):14名【答案提出者の25%が満点】

ディクテーション答案の講評

今回の設問は音声がゆっくりで、普段より難易度が低めでした。B1(英検2級)レベルの英語力があれば満点を取れる内容です。

このため、全体の20%の人が満点、という素晴らしい成績でした。各設問の正解率も(聞いた回数を考慮しなければ)50%以上です。

皆さん全体的にレベルが高いですね!

内容語を間違えた人は、英語ニュースの理解に必要な語彙を強化しましょう。

設問1)Labor ministry regulations (              ) for workers.

正解と答案分析

Labor ministry regulations (require businesses to provide chairs) for workers.

主な不正解事例)

▶「require businesses」を過去形の「required businesses」と書いてしまった。

⇒ 過去の出来事ではなく、現在も有効な規則についての説明です。

※ 詳細は上記「Step3) , Step4)」の解説をご覧ください。

設問2)Some industries, however, (              ).

正解と答案分析

Some industries, however, (do not permit them to sit).

主な不正解事例)

▶「permit them to sit」の目的語を飛ばして「permit to sit」と書いてしまった。

⇒ 「permit(許可する)」は他動詞なので目的語が必要です。

※ 詳細は上記「Step3) , Step4)」の解説をご覧ください。

設問3) In late May, project members (              ).

正解と答案分析

In late May, project members (urged the ministry to improve the situation).

主な不正解事例)

▶過去形の「urged」を現在形の「urge」と書いてしまった。

⇒ この部分はプロジェクト・メンバーが取った行動を表しているため、過去形にしないと意味が通りません。

※ 詳細は上記「Step3) , Step4)」の解説をご覧ください。

いかがでしたか。不正解箇所のある人は、間違えた原因をしっかり分析して今後につなげましょう。次回のディクテーションQuizもふるってご参加ください。

参考記事

立ったままの接客に改善を要望:10秒スピーチ

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