東京の公立校が高価なアルマーニの標準服を選択【Tokyo public school selects pricey Armani uniforms】
Step1:全体リーディング
【説明を表示】Tokyo public school selects pricey Armani uniforms
A public elementary school in Tokyo’s upscale Ginza district has decided to adopt new uniforms designed by the Italian brand Armani. The plan is sparking protests from parents as a full set would cost them over 80,000 yen.
Step2:重要単語と語句
pricey(形)値の張る、高価な
upscale(形)上流階級の、高級な
adopt(動)採用する
spark(動)駆り立てる
Step3:ミニ解説
◆ Tokyo public school selects pricey Armani uniforms = 東京の公立校が高価なアルマーニの標準服を選択
冒頭の「Tokyo」は「東京の」を表す形容詞として「public school」を修飾しています。
英文タイトルでは直近の出来事を現在形で表す傾向があります。通常の文なら、時制は現在完了形「has selected」または過去形「selected」となります。
「pricey(値の張る)」は「price」の形容詞形です。「expensive」に置き換えてもOKです。
「uniform」=「制服」なのでこの和訳で問題ありません。今回は学校側が「(着るかどうかを選択できる)標準服」と定義しているため、日本語もこれに合わせています。
◆ has decided to adopt new uniforms designed by the Italian brand Armani. = イタリアのブランドのアルマーニによってデザインされた、新しい標準服の採用を決定した
標準服の導入が決定され、現在に至っているので時制が現在完了形になっています。
「uniforms」の直後に関係代名詞節「which were」を補足し、「designed」は受け身と解釈します。
◆ The plan is sparking protests from parents = その計画は保護者からの抗議を呼んでいる
「The plan」の内容は前述の「アルマーニの標準服を導入するという決定」を指しています。保護者からの抗議は現在も続いているため、時制が現在進行形になっています。
◆ as a full set would cost them over 80,000 yen. = 一式そろえると、8万円を超える費用がかかるためである
助動詞「would」は仮定法です。「もし、新しい制服を一式(=上下の服、シャツ、帽子、バッグなど)そろえた場合、費用が~かかることになる」というニュアンスです。
「them」は前述の「parents」を指しています。
前置詞の「over(~を超えて)」を「more than」に置き換えてもOKです。
Step4:スラッシュ・リーディング
【説明を表示】Tokyo public school selects / pricey Armani uniforms
A public elementary school / in Tokyo’s upscale Ginza district / has decided to adopt new uniforms / designed by the Italian brand Armani. / The plan is sparking protests / from parents / as a full set would cost them / over 80,000 yen.
Step5:サイトトランスレーション
【説明を表示】Step6: 反訳トレーニング
【説明を表示】Step7:スピード音読
【説明を表示】Tokyo public school selects pricey Armani uniforms
A public elementary school in Tokyo’s upscale Ginza district has decided to adopt new uniforms designed by the Italian brand Armani. The plan is sparking protests from parents as a full set would cost them over 80,000 yen.
参考記事:東京新聞
アルマーニ制服「変更せず」 銀座・泰明小校長 手続き不備は謝罪
イタリアの高級ブランド「アルマーニ」が手掛ける制服の採用を決めた東京・銀座の中央区立泰明(たいめい)小学校の和田利次校長(62)が九日、区役所で記者会見し、
「(採用する)手続きにおいて反省はあるが、非常識な判断とは思っていない。新一年生からこの服でやっていく。変える考えはない」と述べた。
和田校長は冒頭、「保護者や関係者にきちんと説明し、話を進めてくればよかった」と陳謝した。
高級ブランドの採用を決めた理由として、保護者に昨年十一月に配った文書では「服育」という教育方針を説明。
この日も「銀座にある泰明小らしさを具現化するための一つの方法としてブランドの力を借りた。子どもたちが高価な物を扱えば、所作もよくなる」と説明した。
編集後記
先週末に平昌五輪が開幕し、それに合わせて北朝鮮も外交カードをきってきました。本来ならこの話題を取り上げたかったところですが、今回はあえてアルマーニ制服をネタにしました。
この学校の関係者や保護者はもちろん、世間でも賛否が分かれて議論されているようです。個人的に、私にはこの校長先生のおっしゃる次の導入理由がよく理解できません。
「時代の変化を体感させつつ、泰明小学校の児童であるというアイデンティティを育成していくための一環」
「これまでの歴史や伝統を守りつつ、小学校での『英語教育の導入』や、『地域との密接な連携』という新しい教育プログラムの導入と並行して行われていく泰明小学校の新しい時代に向けた変化であり、進化でもある」
「学校とは、学問だけでなく、倫理的な考え方や、集団生活でのあり方も同時に学ぶ場であると考えている。『服育』という考えに基づき、装うものからも学びの機会を得てもらいたい」
『服育』という言葉自体が初耳でした。
単純に、経済的な理由でこの制服を購入できない家庭の子どもが疎外感を味わったり、同級生にいじめられたり・・・という弊害が生じないのかなあ、という懸念があります。
高級ブランドを着用させることで高い倫理観が備わるものなんでしょうかね。
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