上川法相は、閣議後の会見で、婚姻届や離婚届の押印の廃止を検討していることを明らかにした。
現在、市区町村で提出されている婚姻届と離婚届には、署名や押印が必要だが、政府の行政手続きの押印の見直しに向けた取り組みを受けて、法務省は押印欄を廃止する方向で検討している。
また、オンラインでの戸籍の届け出は、すでに制度上可能だが、現在までに導入している市区町村はない。
法務省としては、このほか、さまざまな行政手続きで、押印の廃止やオンライン化の検討を進めているという。
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Japan to do away with personal seals
The Justice Ministry is considering doing away with a requirement to register marriages or divorces with personal seals. The move is in line with efforts by the government to digitalize administrative procedures.
consider(動)検討する
digitalize(動)デジタル化する
administrative(形)行政の
◆ Japan to do away with personal seals 日本がハンコ廃止へ
英文記事のタイトルでは未来の出来事をto不定詞で表し、冠詞やBe動詞を省略する傾向があります。
「do away with A」=「Aを廃止する」となり、Aに名詞が入ります。
通常の英文に直すと以下のようになります。( )が変更・補足した箇所です。
Japan (is) to do away with personal seals.
◆ The Justice Ministry is considering doing away with a requirement 法務省が要求を廃止することを検討している
「consider — ing」=「~することを検討する」となり、動詞「consider」の後に動名詞が入ります。
「requirement(要求)」の具体的内容は直後のto不定詞以降に示されています。
◆ to register marriages or divorces with personal seals 婚姻届や離婚届に押印するという
前述の「requirement(要求)」の内容を表した部分です。
日本語に直訳すると「印鑑を使って結婚や離婚を登録する」となりますが、より自然な表現となるよう「婚姻届や離婚届に押印する」と意訳しています。
◆ The move is in line with efforts by the government この動きは政府の取り組みに沿ったものである
「in line with A」=「Aに沿って」となり、Aに名詞が入ります。
この文脈での「efforts」は「取り組み」という意味で使用しています。
◆ to digitalize administrative procedures 行政手続きをオンライン化するという
前述の「efforts(取り組み)」の内容を示しています。
「digitalize(デジタル化する)」と似た動詞に「digitize(デジタル信号化する) 」があります。
「digitalize(デジタル化する)」が「digital(デジタルの)」という形容詞から派生しているのに対し、「digitize(デジタル信号化する) 」は名詞「digit(2進法の0と1、桁)」の派生語です。
この文脈ではどちらも使用可能ですが、単語の成り立ちが異なる点に注意しましょう。
Japan to do away with personal seals
The Justice Ministry is considering / doing away with a requirement / to register marriages or divorces with personal seals. / The move is in line with efforts by the government / to digitalize administrative procedures.
Japan to do away with personal seals
The Justice Ministry is considering doing away with a requirement to register marriages or divorces with personal seals. The move is in line with efforts by the government to digitalize administrative procedures.
結婚 & 離婚も“脱ハンコ” 上川法相「押印廃止」へ
https://www.fnn.jp/articles/-/93530
上川法相は、閣議後の会見で、婚姻届や離婚届の押印の廃止を検討していることを明らかにした。
現在、市区町村で提出されている婚姻届と離婚届には、署名や押印が必要だが、政府の行政手続きの押印の見直しに向けた取り組みを受けて、法務省は押印欄を廃止する方向で検討している。
また、オンラインでの戸籍の届け出は、すでに制度上可能だが、現在までに導入している市区町村はない。
法務省としては、このほか、さまざまな行政手続きで、押印の廃止やオンライン化の検討を進めているという。
「文書に押印が必要」という日本社会の長年の慣習がいよいよ転換期を迎えましたね。
私自身も最近、印刷せずに済む電子契約書を使用することが多いです。
ところで、ミニ解説でも触れた「digitalize」と「digitize 」について、参考記事がありましたのでご紹介しておきます。
守りと攻めのデジタル化(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO23946840X21C17A1XY0000/
両者の違いをまとめると、
digitize:アナログなものを「0」と「1」で表すデジタルに変換するという意味で使われる。デジタル時計やデジタル放送、デジタル家電などを思い浮かべるとイメージしやすい。
digitalize:デジタルの力でまったく新しいビジネスモデルをつくり、顧客体験も変えることを指す。既存業界を破壊するほどのインパクトを与えるため、今、デジタル化と叫ばれているのはこちらの意味であることを理解する必要がある。
となります。
日本での押印廃止を扱った英文記事ではどちらも使用されていますが、昨今の「デジタル化」をより正確に表す動詞として「digitalize」を選択しました。
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