子育て支援の新政策【New Policies for Childcare Support】
「2分で読めるやさしい英語ニュース」解説記事
このブログ記事では、「やさしい英語ニュース」の単語・表現・文法の詳しい解説を掲載しています。
また、音声と文字をセットにして、スピーキングとリスニングの訓練ができます。
動画版【米国発音:リスニング&スピーキング☆英国発音:リスニング】
Step1:穴埋めディクテーション
【説明を表示】【速度:ややスロー】↑
【速度:ナチュラル】
New Policies for Childcare Support
Japan’s government ①( ) for child-rearing ②( ) for preschools. ③( ) the financial burden on households. They are ④( ) the declining birthrate.
※下記スプレッドシートが前回のリンクになっており失礼しました。今週分に更新しましたので、ご確認ください。
▶メルマガ読者企画「穴埋めディクテーションQuiz」答案一覧と成績発表
今回の英語ニュースのディクテーションQuizは、難易度が低めで満点の人が多かったです。
いっぽう、「allowance」を聞き取れなかった人は単語力・リスニング力がやや弱いです。
詳細はStep3の「和訳と解説」をご覧ください。
▶最優秀賞(100点):9名(Hannahさん、Mitchさん、Yolandaさん、Toresaさん 他)
▶満点取得者の割合と各設問の正答率
今週の満点取得者の割合と各設問の正答率は以下の通りです。Q2は8割弱の人が正解でした!
満点 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 |
33% | 59% | 78% | 52% | 67% |
Step2:重要単語と語句
【説明を表示】allowance /əˈlaʊəns/(名)手当、津貼
※ローマ字のOにつられて「アロゥ」と発音しないよう注意しましょう。厳密にはカタカナで表記できませんが、「アラウ」に近い音になります。
child-rearing /ˈtʃaɪldˌrɪərɪŋ/(名)子育て
tuition /tuˈɪʃ(ə)n/(名)授業料
initiative /ɪˈnɪʃətɪv/(名)主導権、新計画
relieve /rɪˈliːv/(動)軽減する、和らげる
anticipate /ænˈtɪsɪpeɪt/(動)予期する、予想する
reverse /rɪˈvɜːrs/(動)逆転する
decline /dɪˈklaɪn/(動)減少する、下降する
Step3:和訳と解説
◆ New Policies for Childcare Support 子育て支援の新政策
英文記事のタイトルでは冠詞(a, an, the)やbe動詞が省略され、短い単語が使用される傾向があります。
また、このタイトルでは通常の英文の主語・動詞にあたる部分が省略されています。
これらを補って通常の英文に直すと、次のようになります。
The government is introducing new policies for childcare support.
“childcare support” は「子育て支援」という一般的な援助や支援を指しており、(数えることのできない)不可算名詞です。このため、冠詞は不要です。
ただし、”support”は文脈によっては可算名詞として使われるます。
She has many supports in her life. 彼女の人生には多くの支えがある。
この例では、「supports」が「支持者たち」や「支えとなる物事」を指しており、可算名詞となっています。
◆ Japan’s government is set to increase 日本政府は増額する方針を固めている、
「Japan’s government」は「Japan」が所有格となっており、前に定冠詞 “the” は付けません。
「The Japanese government」と言い換えることができ、英文記事ではほぼ同じ意味で使用されます。
ただし、続く「government」が数えられる名詞なので、形容詞の「Japanese」を使うときは冒頭に定冠詞の “the” が必要です。
“be set to” は「計画がすでに決定し、近い未来に達成する予定であること」を示す句動詞です。
似た表現として “be planning to” も未来の行動を表しますが、こちらは「まだ確定していないか、変更の可能性がある計画」について使う傾向があります。
「Japan’s government is said to increase(日本政府は〜を増やすと言われている)」と書いた人は惜しい間違いです。
確かに文法的には合っていますが、「日本政府は~と言われている」という表現は「誰かが政府の意図を伝えている状況」で使用されます。
「情報が間接的に伝えられている」ニュアンスがあり、「政府が方針を直接発表した」という事実と合わず不自然です。
「is said to」と書いた人のほとんどは、おそらく「is set to」に馴染みがないのが間違いの原因だと思われます。
知らない単語は聞き取れませんから、リスニングには語彙力も非常に重要です。
これを機会に「is set to」という表現をしっかり覚えておきましょう。
◆ allowances for child-rearing 子育て手当を、
「allowances(手当)」をローマ字のOにつられて「アロゥアンス」と発音しないよう注意しましょう。厳密にはカタカナで表記できませんが、「アラウワンス」に近い音になります。
動詞形「allow」も同様に「アロウ」ではなく「アラウ」に近い発音になります。
“child-rearing” は「子育てという一連の行為や活動全体を指す抽象名詞」です。このため、一般的には不可算名詞として使用されます。
“child-rearing” を “parenting” に置き換え、 “allowances for child-rearing” を “parenting allowances” と表現することもできます。
ただし、”parenting” は「より広範な親子の関係性、子供の教育や育成に対する親のアプローチ全般」というニュアンスがあります。
「allowance(手当)」という基本単語が聞き取れなかった人は、なぜなのか原因をきちんと分析する必要があります。
① 語彙力の不足:この単語そのものを知らなかった人は、聞き取れなくて当然です。これを機会に綴り・発音・意味をセットで覚えておきましょう。
② 発音力の不足:「allowance」という単語の綴りも意味も知っているのに聞き取れないのは、文字を見てイメージしている単語の音と実際の音が違っているからです。
*原因A)「allowances」をローマ字につられて「アロゥアンス」と読む癖がついている。
*原因B)「increase allowances」のリンキングに慣れておらず、普段「increase, allowances」と単語ごとに切って読む癖がついている。
知っている単語が聞き取れなかった人は、まず耳だけで聞き取る習慣をつけましょう。
◆ and provide free tuition for preschools. また、幼稚園や保育所の授業料を無料にする予定である。
前述の「Japan’s government is set to」を受ける二つの動詞句「increase allowances for child-rearing」と「provide free tuition for preschools」が接続詞「and」でつながれている英文構造です。
全体で「日本の政府は、子育て支援の手当を増やし、そして幼稚園・保育園の授業料を無料にすることを計画している」という意味になります。
“tuition” は「教育、特に大学や学校での授業料全体」を指しており、一般的に不可算名詞として使われます。
“free tuition“とは「授業料全体が無料であるという状況」を指し、「一つの概念」を表しています。
ただし、具体的な料金や複数の料金を指すときは “tuition fees” のような可算名詞の用法があります。
“preschool” は「学校教育が始まる前の子供たち(通常は3歳から5歳まで)が通う教育機関」を指します。
英語で広く使われている単語であり、日本語では一般的に「保育園」や「幼稚園」に相当します。
◆ These initiatives aim to relieve これらの取り組みは、軽減を目指している、
「These initiatives(これらの取り組み)」とは、前述の計画(to increase allowances for child-rearing and provide free tuition for preschools)を指しています。
ここでは、動詞「relieve(軽減する)」を「ease」に置き換えることができます。
「relieve」は形式的・公的な文脈でよく使われ、「ease」 はややカジュアルな言い回しです。
◆ the financial burden on households. 家庭の経済的な負担の。
「the financial burden on households」に定冠詞「the」が使われているのは、特定の負担、つまり「子育てに関する負担」を指しているためです。
この「子育てに関する負担」は、この文脈において読者が明確に理解できるものです。
◆ They are anticipated また、これらは期待されている、
「They」は先の文で触れられた「子育ての施策」を指しています。
また、「are anticipated」を「are expected」に置き換えることができます。
ただし、「anticipated」のほうが堅い表現であり、「期待」という意味合いが強くなります。
◆ to help reverse the declining birthrate. 出生率の低下を食い止める助けとなると。
「help reverse(help+動詞の原形)」は2つの動詞の間にto不定詞を入れて「help to reverse(help+to不定詞+動詞の原形)」と表現することもできます。
どちらも文法的には正しい用法ですが、現代では、英文記事や会話において「to」を省略した形をよく使います。
また、「the declining birthrate」と定冠詞「the」が付いているのは、この文脈で「日本の出生率の低下」という「特定の出生率」を表しているからです。
いっぽう、「a declining birthrate」という不定冠詞の付いた表現は、「下降する出生率という現象を一般的に述べる場合」に使用します。
Step4:スラッシュ・リピーティング
【説明を表示】Step5:サイトトランスレーション
【説明を表示】Step6: 反訳トレーニング
【説明を表示】Step7:オーバーラッピング&シャドーイング
【説明を表示】【速度:ややスロー】↑
【速度:ナチュラル】↑
Step8: 高速リスニング
【説明を表示】参考記事:この英語ニュースの元記事
英文で読む【政府が新たな少子化対策を発表】
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