日本のLGBTQ法案が議論を誘発【LGBTQ Bill Sparks Debate in Japan】
「2分で読めるやさしい英語ニュース」解説記事
このブログ記事では、「やさしい英語ニュース」の単語・表現・文法の詳しい解説を掲載しています。
また、音声と文字をセットにして、スピーキングとリスニングの訓練ができます。
動画版【米国発音:リスニング&スピーキング☆英国発音:リスニング】
Step1:穴埋めディクテーション
【説明を表示】【速度:ややスロー】↑
【速度:ナチュラル】
LGBTQ Bill Sparks Debate in Japan
Japan’s ①( ) bill ②( ) LGBTQ individuals. However, ③( ) even from within the LGBTQ community, ④( ).
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今回のディクテーションQuizは、日本の「国会」を「diet」と小文字で始めて満点を逃した人が多かったです。
この意味では「Diet」と表記するのがニュース英語の通例なので、これを機会に覚えておきましょう。
元記事の中にも登場していますが、長い英文なので見つけにくかったかもしれませんね。
現在の語彙力やニュース英語への慣れが試される出題です。
冒頭を大文字で書いていた人たちはさすがでした。
なお、元記事では「国会」の表記に「Parliament」を使用してており、これはイギリス国会を表す単語です。
が、ニュース英語で日本の国会を「Parliament」を使用することもあるので、両方覚えておきましょう。
詳細はStep3の「和訳と解説」をご覧ください。
▶最優秀賞(100点):2名(y. tinaさん、とりさん)
今回の満点はお二人でした!おめでとうございます。※お詫びと訂正:y. tinaさんのお名前が抜けており、失礼しました。
▶満点取得者の割合と各設問の正答率
※スプレッドシート上の判定機能では大文字・小文字を区別しないため、「diet」の不正解答案も緑色になっています。
満点 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 |
7% | 61% | 36% | 64% | 46% |
Step2:重要単語と語句
【説明を表示】bill /bɪl/ (名) 法案、請求書
spark /spɑːrk/ (動) 引き起こす
individual /ˌɪndɪˈvɪdʒuəl/ (名) 個人
benefit /ˈbɛnɪfɪt/ (名) 利益、利点
Step3:和訳と解説
◆ LGBTQ Bill Sparks Debate in Japan 日本のLGBTQ法案が議論を誘発
英文記事のタイトルでは冠詞(a, an, the)やbe動詞が省略され、短い単語が使用される傾向があります。
また、このタイトルでは通常の英文の動詞にあたる部分が省略されています。
これらを補って通常の英文に直すと、次のようになります。
The LGBTQ Bill is sparking a debate in Japan.
「LGBTQ」は、Lesbian(レズビアン)、Gay(ゲイ)、Bisexual(バイセクシャル)、Transgender(トランスジェンダー)、QueerまたはQuestioning(キュアまたはクエスチョニング)の頭文字を取った英語の略語です。
■Transgender : 出生時に割り当てられた性別と自己認識の性別が一致しない人々を指します。
■Queer : 性的指向、性別の自己認識、あるいはその両方が社会的な規範から逸脱している人々を指します。
■Questioning : 自身の性的指向や性別の自己認識について探求・検討中の人々を指します。
“Q”は、QueerまたはQuestioningを表すことが一般的ですが、地域や文脈によります。
また、この頭文字は順番や含む文字にバリエーションがあり、LGBTQ+やLGBTQIAと書かれることがあります。これらの表記は、多様性を全面的に表現しようとする試みです。
◆ Japan’s Diet recently passed a bill 日本の国会は最近、法案を通過させた、
「(the) Diet」は日本の議会(国会)を表す固有名詞として、冒頭の文字を大文字で表記します。
普通名詞の「diet(食事療法・食事)」と区別する意図もあり、英文メディアでは「Diet」と表記するのが通例です。
Diet:今回のディクテーションでは、「diet」と小文字で始めた人が非常に多かったです。
綴り自体は合っているものの、日本の国会は「Diet」と表記するのが英文メディアの通例なので、残念ながら、ここは不正解としました。
元記事にも「the Diet session」として後半に登場していますが、見つけにくかったかもしれませんね。
なお、元記事では「国会」の表記に「Parliament」も併用しており、これはイギリス国会を表す単語です。
が、ニュース英語では日本の国会に「Parliament」を使用することもあるので、両方覚えておきましょう。
passed a bill(法案を通過させた):「pass(通過させる)」は目的語を取る他動詞です。ここでは「a bill」が目的語ですね。
また、「bill(法案)」は可算名詞(数えられる名詞)なので、無冠詞で単数にはなりません。
この法案は文中で初めて登場しているため、不定冠詞の「a」を取っています。
◆ aimed at preventing discrimination 差別の防止を目指している、
「aimed at」の前に「which(関係代名詞の主格)+was(be動詞)」を補うとわかりやすいです。
前述の名詞「bill(法案)」の内容を説明している部分です。
aimed at:この「aimed」は動詞の過去形ではなく、受け身の過去分詞です。
「aims at」と書いた人は、英文全体の主語・動詞・目的語を理解するする文法力がやや弱いです。
☓Japan’s Diet recently passed a bill aims at preventing discrimination
この英文の構成がねじれていることに気づきましたか。
「bill」でいったん終わったはずの英文の後に、接続詞や別の主語がないまま「aims」がいきなり出てきているからです。
関係代名詞の主格「which」を入れて
Japan’s Diet recently passed a bill (which) aims at preventing discrimination
と解釈した人がいるかもしれませんが、通常、省略するのは「which was」など「主格+be動詞」のセットです。
◆ against LGBTQ individuals. LGBTQの個人に対する。
前述の差別の対象を特定する表現です。
◆ However, the bill has received criticism しかし、この法案は批判を受けており、
この法案が既に言及されているため、ここでは「the bill(その法案)」 と定冠詞を付けて表現しています。
また、時制を現在完了形にして「批判が現在に至っている状況」を表しています。
criticism:この文脈では「批判」という一般的な概念を表し、不可算名詞として使用されています。
一方で、特定のコメントや批評を指す場合は、可算名詞として使用されることがあります。
例1)However, the bill has received criticism.:不可算:法案は一般的に批判を受けています。
例2)However, the bill has received criticisms. 可算:法案は具体的な批評をいくつか受けています。
「法案全体に対する一般的な批判」を表すときは、例1)のように不可算名詞として使用するのが自然です。
「個別の批評」を指す場合は例2)のように可算名詞になりますが、批評の内容を具体的に挙げる必要があります。
◆ even from within the LGBTQ community, LGBTQコミュニティ内からさえも、
「even」という単語を使用するときは通常、「予想外の事実や驚くべき事実」を強調するためです。
LGBTQ法案は、(少なくとも表面的には)LGBTQの人々の権利を保護する目的で立案されています。
「LGBTQコミュニティ内から批判されている」という事実が一部の人々にとっては予想外であり、その意外性を強調するために「even」が使用されています。
◆ making its actual benefits uncertain. その実際の利点は不透明となっている。
「its」は先行する「the bill」を指しています。
また、「making」以降の部分が「the bill has received criticism even from within the LGBTQ community」の結果を示しています。
benefits : 一般に可算名詞になることが多く、特定の利点や利益を指す場合には、それぞれ個別の「benefit」を表します。
ここでは、法案がもたらす「複数の利点や利益」が不確かであるという意味で、複数形を使用しています。
ただし、一般的な利益や利点を指す場合には、不可算名詞として使用されることもあります。
uncertain : この単語を聞き取れなかった人は、ニュース英語に必要な語彙力・文法力が弱いか、発音が日本語訛りになっているかのどちらかです。
Step4:スラッシュ・リピーティング
【説明を表示】Step5:サイトトランスレーション
【説明を表示】Step6: 反訳トレーニング
【説明を表示】Step7:オーバーラッピング&シャドーイング
【説明を表示】【速度:ややスロー】↑
【速度:ナチュラル】↑
Step8: 高速リスニング
【説明を表示】参考記事:この英語ニュースの元記事
英文で読む【LGBT法可決に当事者が失望】
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