日本の生物学者がオートファジー研究でノーベル賞【Japanese biologist wins Nobel Prize for research on autophagy】
こんにちは!やさしい英語ニュースのAkiです。
では、本日の英語ニュースです。7ステップの学習メニューを順にこなしていきましょう。
Step1>> 英語ニュース全体をリーディング
最初に英語ニュース全体を通して読み、だいたいの意味をつかみます。この段階では単語や構造、文法の疑問点があってもかまいません。
Japanese biologist wins Nobel Prize for research on autophagy
A Japanese cell biologist was awarded the Nobel Prize in Physiology or Medicine on Monday for discoveries on how cells break down and recycle their own contents, a process known as autophagy.
Step2>> 重要単語と語句
biologist(名詞):生物学者
physiology(名詞):生理学
cell(名詞):細胞
Step3>> 頻出表現と文法のミニ解説
◆ A Japanese cell biologist was awarded the Nobel Prize in Physiology or Medicine
= 日本の細胞生物学者がノーベル生理学・医学賞を授与された
「award」の発音は米国英語では「アウォード」に近い音となり、「ウォー」の部分に強勢を置きます。和製英語の「アワード」とは異なるため注意しましょう。
「was awarded(授与された)」を「won(勝ち取った → 受賞した)」に置き換えてもOKです。
「Nobel Prize」は、今回取り上げた生理学・医学賞の他にも以下の通り多様な分野があります。
chemistry(化学) economics(経済学) literature(文学) peace(平和) physics(物理学)
ノーベル賞:ダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベルの遺言に従って1901年から始まった世界的な賞である。物理学、化学、生理学・医学、文学、平和および経済学の「5分野+1分野」で顕著な功績を残した人物に贈られる。(Wikipediaより引用)
◆ for discoveries on how cells break down and recycle their own contents
= 細胞がどのように自らの中身を分解し、再利用するかにおける発見に対して
前置詞「for」以下が受賞理由の説明です。「on」は「~に関する、~についての」を表します。「break down(分解する)」と「recycle(再利用する)」の両方が目的語「their own contents」につながっています。
◆ a process known as autophagy
= オートファジーとして知られる過程
「a process」の直前に関係代名詞節「which is」を補って解釈します。すなわち、この部分はその直前の「how cells break down and recycle their own contents」の言い換え表現で、コンマの前後がイコールで結ばれる同格の用法です。
Step4>> スラッシュ・リーディング ~ 区切り読みしてみよう
英文を頭から理解できるよう、意味のかたまりごとにスラッシュ「/」で区切って読んでいきます。ひとつの区切りから次へ進むときに(誰が → 何をした → なぜ)というように、続く内容を予想しながら読むのがコツです。
Japanese biologist / wins Nobel Prize / for research on autophagy
A Japanese cell biologist / was awarded the Nobel Prize / in Physiology or Medicine / on Monday / for discoveries / on how cells break down / and recycle / their own contents, / a process / known as autophagy.
Step5>> サイト・トランスレーション ~ 頭から順に和訳してみよう
スラッシュで区切った上の英文テキストを見て、区切りごとに日本語に訳していきます。後ろから返り読みせず、頭から読み進めるようにしてください。まず自分でサイトラをしてから、下の和訳例を見て比べてみましょう。
<和訳例> 日本の生物学者が / ノーベル賞を受賞、/ オートファジーの研究で
日本の細胞生物学者が / ノーベル賞を授与された、/ 生理学・医学で、/ 月曜日、/ 発見に対して、/ 細胞がいかに分解するかに関する、/ また再利用するかを、/ 自らの中身を、/ 過程であるが、/ オートファジーとして知られる。
Step6>> リプロダクション ~ 和文から元の英文を再生してみよう
今度は逆に、スラッシュで区切った上の日本語テキストを見て、元の英文テキストを思い出しながら順に英語を再生していきましょう。
<解答をチェック!>
日本の生物学者が
Japanese biologist
ノーベル賞を受賞、
wins Nobel Prize
オートファジーの研究で
for research on autophagy
日本の細胞生物学者が
A Japanese cell biologist
ノーベル賞を授与された、
was awarded the Nobel Prize
生理学・医学で、
in Physiology or Medicine
月曜日、
on Monday
発見に対して、
for discoveries
細胞がいかに分解するかに関する、
on how cells break down
また再利用するかを、
and recycle
自らの中身を、
their own contents,
過程であるが、
a process
オートファジーとして知られる。
known as autophagy.
Step7>> スピード音読 ~ 仕上げ読みしてみよう
最後に、英文テキストをできるだけ速く音読してください。読みながら意味が頭にすっと入ってきたらOKです。
Japanese biologist wins Nobel Prize for research on autophagy
A Japanese cell biologist was awarded the Nobel Prize in Physiology or Medicine on Monday for discoveries on how cells break down and recycle their own contents, a process known as autophagy.
参考記事: ニュースの背景知識を深めよう ~中日新聞 より~
ノーベル医学賞 やはり大切な基礎研究
大隅良典・東工大栄誉教授にノーベル医学生理学賞が贈られることが三日、決まった。がんなどの治療につながると期待される研究だ。これで日本人のノーベル賞受賞は三年連続。共に喜びたい。
自然科学系のノーベル賞は受賞者を三人まで選ぶことができ、単独受賞は少ない。大隅さん一人が選ばれたというのは、業績の大きさとユニークさを示している。
受賞理由のオートファジーとは、生物が細胞の中にたまった不要な物質を分解して再利用するリサイクルシステムのことだ。
単細胞生物の酵母で解明した。ここまでは基礎的な研究だが、大隅さんは対象を哺乳類に拡大。研究成果ががんやアルツハイマー病などの病気や老化の研究にも貢献することを示した。近年、世界中で幅広い領域で研究が進んでいる。
編集後記
先日、イグノーベル賞を英語ニュースで取り上げたと思ったら、今度は本家ノーベル賞の発表時期となりました。
最近、日本人学者の受賞が毎年のように伝えられて素晴らしいですね。しかも、今回の医学生理学賞は単独受賞が珍しいとのこと。
このような基礎研究はすぐに成果が出るわけではないので、それを見守ってくれる社会になってほしい、という趣旨の大隅教授の言葉が重く感じられます。
では、また次回の英語ニュースでお会いしましょう。
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