イスラエルとハマスの戦争激化【Israel-Hamas War Escalates】
「2分で読めるやさしい英語ニュース」解説記事
現在、イスラエルとハマスが休戦中ですが、パレスチナ紛争は複雑で問題が根深いですね。
ニュースの表面をなぞっただけでは、理解しづらい点がたくさんあります。
解説動画や記事↓でパレスチナの歴史をたどってみると、(そら揉めるわ)といわざるをえません。
「イギリスの三枚舌外交」「イスラエル建国時の国連決議」など、対立に至った陰の要因が浮き彫りになるからです。
▶ パレスチナ問題がわかる イスラエルとパレスチナ 対立のわけ(記事)
今週の「やさしい英語ニュース」では、このTopicをテーマに取り上げました。
英語の総合力が自然に身につく学習メニューになっていますので、Step1から順に進めていきましょう。
※この英語ニュースは休戦前の報道を元に作成しています。
動画版【米国発音:リスニング&スピーキング☆英国発音:リスニング】
Step1:穴埋めディクテーション
【説明を表示】【速度:ややスロー】↑
【速度:ナチュラル】
Israel-Hamas War Escalates
The Islamic militant group Hamas ①( ) in early October, prompting retaliation in Gaza. ②( ) 14,000 Palestinians have died, mostly women and children.
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▶満点取得者の割合と各設問の正答率
満点率 | Q1の正答率 | Q2の正答率 |
53% | 57% | 73% |
▶最優秀賞(100点):16名【答案提出者の53%が満点】
今回の設問は難易度が低めで、中級レベルの英語力があれば満点を取れる内容です。実際に全体の半数以上の人が満点でした!
Q1の「a surprise attack」を誤って「✘ surprise attack(冠詞 “a” が抜けている)」または「✘ a surprised attack」と書いた人は、文法とリスニングの基本ルールを思い出しましょう。
詳細は下記の「Step3:和訳と解説」▼で詳しく解説しています。基礎力があれば理解できますので、ぜひご覧ください。
Step2:重要単語と語句
【説明を表示】launch /lɔːntʃ/(動)発射する、開始する
Israel /ˈɪzriəl/(名)イスラエル
retaliation /rɪˌtæliˈeɪʃn/(名)報復、仕返し
Palestinian /ˌpæləˈstiːniən/(名・形)パレスチナ住民(の)、パレスチナ(の)
Step3:和訳と解説
◆ Israel-Hamas War Escalates
和訳)イスラエルとハマスの戦争が激化
英文記事のタイトルでは直近の過去の出来事を現在形や現在完了形で表し、冠詞やbe動詞が省略される傾向があります。
また、短い単語を使用し、説明自体も簡略化されます。通常の英文に直すと、以下のようになります。
The war between Israel and Hamas has escalated.
◆ The Islamic militant group Hamas
和訳) イスラム武装組織ハマスは、
「The Islamic militant group Hamas」で定冠詞「the」を使用するのは、これが特定のグループであることを示すためです。いっぽう、「Hamas」単体で使用する際は固有名詞となり、定冠詞は付けません。
ハマースあるいはハマース運動は、1987年に結成されたパレスチナのスンニ派イスラム原理主義、民族主義組織であり、パレスチナ土地奪還と、パレスチナ人権保護を目的に活動している。
名称については、公安調査庁や多くの日本メディアはハマスと表記。組織の性質を添えた「イスラム原理主義組織ハマス」といった記載もなされている。(Wikipediaより)
◆ launched a surprise attack on Israel
和訳)イスラエルへの奇襲を行い、
▶ launch(ed):綴りにつられて「ラウンチ」と発音しないように。Lの音は正確にはカタカナ表記できませんが、「ローンチ」と伸ばすようにしましょう。
▶ a surprise attack on Israel :前置詞「on」は攻撃の対象を表しています。ここでは「イスラエルに対する攻撃」という意味です。
前置詞を「in」にすると「イスラエルで起こった攻撃」となり、単に場所を示すだけの意味になります。通常は「攻撃対象」を示すことが多く、あまりこういう表現は使いません。
✘ launched surprise attack:「surprise」の直前にある不定冠詞「a」を抜かした人は、文法力とリスニング力が不足しています。
理由1)「a」が入ると「launched a surprise attack」となり、「ローンチダ」のように聞こえます。シラブルが1つ増えるため「a」がない場合と発音が違います。
理由2)名詞「attack」は可算名詞なので、無冠詞単数では使いません。中級以上の文法力があれば、見た瞬間に変だと気づきます。
✘ a surprised attack:「surprised」という表現は意味が不自然です。
「surprised」は動詞「surprise(驚かせる)」の過去分詞なので、「驚いた攻撃」という奇妙な意味になってしまうからです。
無生物である「attack(攻撃)」が「surprised(驚く)」という感情を持つことはありえません。
つまり、「興味深い本」や「わくわくする映画」を「an interested book」「an excited movie」などと表現しないのと同じです。
「興味深い、わくわくする」と感じる主体は人間なので、それぞれ「an interesting book」「an exciting movie」と表現するのが自然です。
この場合も、動詞「surprise(驚かせる)」を使うなら現在分詞にして「a surprising attack(人を驚かせるような攻撃・驚くべき攻撃)」とすべきです。
が、ここでの「surprise」はそもそも動詞の用法ではなく、名詞の「surprise」が形容詞のように機能して「attack」を修飾しているのです。
「surprise+名詞」の表現はよく使うので覚えておきましょう。
例)a surprise visit(電撃訪問), a surprise party(サプライスバーティ)
他にも「前の名詞が形容詞として後の名詞を修飾する例」はいろいろあります。
例)a luxury hotel(豪華なホテル), a mountain view (山の景色・マウンテンビュー), a school teacher (学校の先生)
※この説明の意味がよくわからない人は、中学英文法の基本に戻って「形容詞・過去分詞・現在分詞」を復習してください。
◆ in early October,
和訳)10月初旬に、
今回のパレスチナ紛争は、10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルを奇襲したのがきっかけです。
類似表現をまとめておぼえておきましょう。
▶ in mid-October:10月中旬に ※ハイフンを付けるのが自然です。
▶ in late October:10月下旬に
◆ prompting retaliation in Gaza.
和訳) ガザへの報復を引き起こした。
分詞構文の現在分詞「prompting」の主語は、直前の英文全体(=ハマスがイスラエルを奇襲したこと)を指しています。
また、文脈上、報復をしたのが奇襲を受けたイスラエル軍であることがわかります。
ガザは、パレスチナ国ガザ地区の都市。地区と同一名称であるため、ガザ市とも呼ばれる。ガザ地区およびガザ県の中心都市。人口は約59万人で、ガザ地区およびパレスチナ国で最大である。(Wikipediaより)
◆ Reports indicate
和訳) 報道によると、
直訳すると「報道が示している」となりますが、ここでは自然な日本語になるよう意訳しています。
◆ that over 14,000 Palestinians have died,
和訳) パレスチナ住民の死者は1万4千人を超え、
前述の「Reports indicate」を受ける部分で、具体的な犠牲者数を述べています。
11月14日時点の報道では「ガザ地区の死者が1万1000人以上、イスラエルが約1200人」、25日時点で「ガザ地区が計1万4854人」とされています。
◆ mostly women and children.
和訳) その大半は女性と子供である。
前述の「14,000 Palestinians」の内訳を説明している部分です。戦闘に参加していない罪もない市民が多数犠牲になっている理不尽さを表しています。
Step4:スラッシュ・リピーティング
【説明を表示】Step5:サイトトランスレーション
【説明を表示】Step6: 反訳トレーニング
【説明を表示】Step7:オーバーラッピング&シャドーイング
【説明を表示】【速度:ややスロー】↑
【速度:ナチュラル】↑
Step8: 高速リスニング
【説明を表示】参考記事
▶ パレスチナ情勢 人道危機が深刻化(ニュースで学ぶ「現代英語」)
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