ジョコビッチが国外退去訴訟で勝訴、しかし全豪オープン出場は不透明【Djokovic wins on deportation but Australian Open participation uncertain】
※この英語ニュースの原稿は1月10日(月)に作成したものです。
反復用:動画で通訳トレーニング
Step1:穴埋めディクテーション
【説明を表示】Djokovic wins on deportation but Australian Open participation uncertain
Serbian tennis star Novak Djokovic ①( ), where he was held ②( ) against COVID-19. ③( ), whether he will play at the Australian Open remains up in the air, and ④( ) for three years.
Step2:重要単語と語句
overturn(動)くつがえす
invalid(形)無効な
exercise(動)行使する
Step3:ミニ解説
◆ Djokovic wins on deportation but Australian Open participation uncertain ジョコビッチが国外退去訴訟で勝訴、しかし全豪オープン出場は不透明
英文記事のタイトルでは、直近の過去の出来事を現在形で示し、冠詞やBe動詞を省略する傾向があります。
通常の英文に直すと以下のようになります。( )が変更・補足した箇所です。
Djokovic (won) on (the) deportation but (his) Australian Open participation (is) uncertain.
「win on」は「~において勝利する」という意味です。
ジョコビッチ選手が「入国ビザ取り消しの撤回を求めた裁判で勝訴したこと」を和訳に反映しています。
「deportation(国外退去)」は、ビザ取り消しで入国者収容施設に拘留され、そのまま国外退去の可能性もあった状況を指しています。
◆ has been released from immigration detention in Australia, オーストラリアの入国者収容施設から解放された、
「immigration detention」は、「入国時の違反者を拘留する施設、拘留状態」のことです。
◆ where he was held following the loss of his visa 彼がビザ取り消しの後で拘留されていた、
「where」は、前述の「immigration detention(入国者収容施設)」を修飾する関係副詞です。
「loss(喪失、紛失)」は、「ジョコビッチ選手の入国ビザが取り消されたこと」を表しています。
◆ due to not being vaccinated against COVID-19. コロナワクチンを接種していなかったために。
全豪オープン出場選手にはコロナワクチン接種が義務づけられていますが、ジョコビッチ選手は12月に新型コロナに感染した「医学的理由」から、接種免除を申請していました。
しかし、十分な医学的根拠を提出できなかったという判断で入国を拒否され、収容施設に拘留されていました。
◆ While the visa cancellation was overturned as legally invalid, ビザの取り消しは、法的に無効であるとしてくつがえされたものの、
副詞節を導く接続詞「While」は「~だが、~とはいえ」という逆説の意味で使われています。
◆ remains up in the air, 不確定のままであり、
「up in the air」は、「未決定で、宙に浮いて」という意味で、タイトルの「uncertain(不透明)」の言い換えです。
◆ and the government may exercise powers また、政府が権限を行使する可能性がある、
「power」は、ここでは「権力、権限」という意味です。
政府側の代理人によると、「アレックス・ホーク(Alex Hawke)移民相が、個人の権限でビザ取り消しを行使する可能性がある」とのことです。
◆ that will keep him out of the country for three years. その国(オーストラリア)への彼の入国を3年間禁止する(権限を)。
関係代名詞の主格「that」の先行詞は直前の名詞「powers(権限)」です。
また、that 以下は、ビザ取り消しが発動された場合の具体的措置を示しています。
「keep ~ out of 」は「~を遠ざける、締め出す」という意味です。
直訳すると「彼をその国から3年間締め出す」となりますが、ニュースの内容に即して意訳しています。
Step4:スラッシュ・リーディング
【説明を表示】Djokovic wins on deportation / but Australian Open participation uncertain
Serbian tennis star Novak Djokovic / has been released from immigration detention in Australia, / where he was held following the loss of his visa / due to not being vaccinated against COVID-19. / While the visa cancellation was overturned as legally invalid, / whether he will play at the Australian Open / remains up in the air, / and the government may exercise powers / that will keep him out of the country for three years.
Step5:サイトトランスレーション
【説明を表示】Step6: 反訳トレーニング
【説明を表示】Step7:スピード音読
【説明を表示】Djokovic wins on deportation but Australian Open participation uncertain
Serbian tennis star Novak Djokovic has been released from immigration detention in Australia, where he was held following the loss of his visa due to not being vaccinated against COVID-19. While the visa cancellation was overturned as legally invalid, whether he will play at the Australian Open remains up in the air, and the government may exercise powers that will keep him out of the country for three years.
参考:ジョコビッチが勝訴 豪入国拒否問題、裁判所が解放命令(Yahoo!ニュース)
新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、男子テニス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)がオーストラリア入国を拒否された問題で、同国の裁判所は10日、ビザ(査証)取り消しの決定を覆し、入国者収容施設で拘束されているジョコビッチの即時解放を命じた。
だが政府側の代理人は、アレックス・ホーク(Alex Hawke)移民相が「個人的な(ビザ)取り消しの権限」を行使する可能性があると指摘しており、ジョコビッチはまだ全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)出場に手が届かない可能性がある。
ジョコビッチは前週、17日開幕の全豪オープンに出場するためメルボルンに到着した。だがワクチン未接種のジョコビッチは、空港で十分な医学的根拠を提出できなかったと判断され、ビザが取り消しとなった。
国外退去命令が一時差し止めとなる間は、入国者収容施設に移されていた。
編集後記
「ジョコビッチのビザ訴訟」はその後、彼が国外に強制送還されるという、なんとも後味の悪い結果となりました。
▶ ジョコビッチが四面楚歌! 全豪、全仏に続き全米OPも絶望的
ワクチン接種免除に必要な証明を示せず、陽性判明後もイベントに出席する、などの彼の行動には疑問が残ります。
やはり、「滞在が公共の利益を害する恐れがある」というホーク移民相のビザ取り消し判断は妥当に思えますね。
しかしながら、この決定によって、今週開幕した「全豪オープンテニス」がつまらなくなった感は否めません。
全豪といえば、いわば「ジョコビッチの庭」といわれるほど、「彼が最も得意とする大会」だからです。
2008年から合計9度の優勝を果たし、最近の成績を見ても、昨年まで堂々の三連覇!
しかも決勝戦は9戦9勝で、1回も負けたことがありません。「9回で勝率100パーセント」は驚異的だと思いませんか。
※いっぽう、5度にわたって最後に涙を呑み、悔し泣きしながら準優勝プレートを集めたのがアンディ・マレーですが。
異例の展開となった今年の全豪オープン、優勝候補の筆頭が消えたことで、選手たちは「チャンス到来!」と色めき立っているでしょう。
ただテニス・ファンとしては、去年の全米オープン決勝に続き「ジョコビッチ☓メドベージェフ」の頂上対決をもう一度見たかったです。
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