日本語吹き替え版は危険かも

 

私が子供の頃は、外国語の映画やドラマのテレビ放送では、日本語の吹き替え版しか選択肢がありませんでした。

いつも、日本人の声優さんの声で外国人俳優の演技を観ていたわけです。

それから何年も経って、今度は二ヶ国語放送で海外の番組が視聴できる環境になりました。

英語音声に切り替えて俳優の生の声に初めて触れたとき、今まで慣れていた声優の声とは全然違っていて、ショックを受けたのを覚えています。

たいていの場合、日本人声優の方が明瞭な口調で声のトーンが高く、いっぽう、外国人俳優はボソボソと早口で話しているように感じました。

幼いとき、家族みんなで見ていた「大草原の小さな家」で、あの「ローラのお父さん」の本当の声を聞いた瞬間は、かなり衝撃を受けました。

おかしなもので、自分が勝手に日本人俳優の声に親しんでいたせいで、「この俳優さんの顔とイメージには声優の声の方が合っている!」なんて不満に思ったこともありました。

「慣れ」というのは本当に恐ろしいものです。

もし、最初から英語音声で番組を見ていたら、そんなふうには思わなかったでしょう。

逆に、「日本人声優の声が高すぎて、俳優のイメージに合っていない」と感じたはずです。

そんな経験もあり、洋画や海外ドラマを日本語音声で見ることは一切なくなりました。

二ヶ国語放送のドラマでは、「英語 ⇒ 日本語 ⇒ 英語」の順番に音声を切り替えて何度か視聴し、リスニング力を鍛えるようにしました。

最初に英語で観たときによく聞き取れなかった箇所は、(こういう意味の会話かな)とあれこれ想像し、次に日本語に切り替えたときに確認していました。

自分の解釈が合っていればうれしく感じ、内容が想像と違っていたらがっかりする、などと一喜一憂したものです。

ごくまれに、日本語の吹き替え音声や字幕の意味が間違えていることもあり、それにたまたま気づいたときは、(私のほうが英語できるし~)なんて小さな自己満足に浸っていました。

実際、海外から発信されるドラマやニュースは、日本語に翻訳される際、意味が微妙に変わっていたり、ときには誤訳になってることもあります。

が、吹き替え音声や字幕の日本語に頼っているとその間違いに気づかず、訳文をそのまま信じ込んでしまいます。これはけっこう危険なことです

なので、英語で発信される情報は、なるべく原文に直接触れ、その意味やニュアンスを理解する習慣をつけるほうが良いと思います。

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