語学講座とCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)
4月は新生活のスタートに合わせ、NHK語学講座も番組改編の時期ですね。
多彩なラインナップの中、既にお気に入りの番組は見つかったでしょうか。
さて、これらの英語番組はすべて、「CEFR」という指標に基づいて5段階で配置されている、というのをご存じでしたか。
各語学講座の公式サイトにも、「CEFR A2~B1レベル」といった記載があります。
CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)とは
「CEFR」は、「Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment(外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠)」の最初の頭文字4つを取った略称です。
文部科学省から出ている「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」に、次の記載があります。
CEFRは, 語学シラバスやカリキュラムの手引きの作成、学習指導教材の編集、外国語運用能力の評価のために、透明性が高く、分かりやすい、包括的な基盤を提供するものとして、20年以上にわたる研究を経て、2001年に欧州評議会が発表した。
詳細を知りたい方は、文科省の「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」PDFファイルをご覧ください。
また、「CEFR」で検索すると、詳しい解説サイトが多数ヒットします。
「CEFR」に基づいた2022年ラジオ英語講座のレベル
この「CEFR」を土台にした、今年度の各ラジオ講座のレベル分けは次の通りです。
A1:日常生活での基本的な表現を理解し、ごく簡単なやりとりができる
A2:日常生活での身近なことがらについて、簡単なやりとりができる
B1:社会生活での身近な話題について理解し、自分の意思とその理由を簡単に説明できる
B2:社会生活での幅広い話題について自然に会話ができ、明確かつ詳細に自分の意見を表現できる
C1:広範で複雑な話題を理解して、目的に合った適切な言葉を使い、論理的な主張や議論を組み立てることができる
「中学生の基礎英語 レベル1」が一番やさしい「A1」、「ラジオビジネス英語」が最も難易度の高い「C1」に区分けされています。
「CEFR」には、この上に「C2」という最上位レベルがありますが、これに相当する講座がありません。
たぶん、そこまで流暢に話せる学習者の数が少なく、需要もあまりないからだと推測できます。
私が普段、受講生や読者の方に紹介する語学講座は、A2~C1のレベルに該当するものが大半です。
ただし、この「CEFR」という基準が日本ではまだ浸透していない印象があり、A2やB1といわれてもぴんとこないかもしれません。
「CEFR」と各資格試験を対照表で換算
文科省の「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」を見ると、「英検」や「TOEIC」など、各資格試験の級やスコアを「CEFR」に換算したレベルがわかります。
ちょっとややこしいのがTOEICで、対象表ではLR(リスニング+リーディング)とSW(スピーキング+ライティング)の合計スコアになっています。
英語の4技能を測定するレベル分けなので、こういう表示になるのでしょうね。
実際に、TOEICのLRとSWの両方を受けている受験生はまだ少ないように思いますが。
以上、今回は、「英語講座の難易度の指標」として採用されている「CEFR」を取り上げました。
「CEFR」が意味がわかったところで、次回から、お勧めの英語講座を順次ご紹介しますね。
どうぞお楽しみに!
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