英文で読む【70歳までの就業制度】


改正された「高年齢者雇用安定法」では、企業に対し「従業員が70歳まで働ける機会」を制度化する努力義務を課しています。

現時点で、25%を超える企業が「70歳まで働ける制度」を実施しているそうです。

今週のディクテーション課題は、この話題についての英文記事「25% of firms heed directive to let staff work until they reach age 70」を土台に作成しました。

使われている語彙や表現を学び、ディクテーション課題に取り組む際の参考にしてくださいね。

英文記事で読み解く「70歳までの就業制度」

取り上げる「THE ASAHI SHIMBUN」の英文記事はこちらです。

こちらは、同じテーマを扱った和文記事です。

※一定期間を過ぎると、記事が削除されている場合があるのでご了承ください。

今回の学習コラムでは、英文記事から「ディクテーション課題に関連した内容」と「日本人が間違えやすい文法・表現」の含まれた段落を抜粋しました。

英文読解の参考となるよう「和訳例」「語句の解釈」「ミニ解説」を入れています。

また、和訳は、英語の流れに沿って訳す「サイト・トランスレーション」形式にしました。

では、英文記事を順に読み解いていきましょう。

企業の25%が「70歳まで働ける制度」を実施

One in four companies in Japan / is heeding a government directive / to allow employees to work / if they wish / until they are 70 / as part of efforts / to alleviate a manpower crunch / and ease pressure on the social security system. :「THE ASAHI SHIMBUN」 より

和訳例)日本の4社に1社が、/ 政府の指示にしたがっている、/ 従業員が働くことを許可するようにという、/ 本人が希望した場合、/ 70歳まで、/ 取り組みの一環として、/ 労働力不足を緩和するための、/ また、社会保障制度への圧迫を軽減するための。

語句の注釈

heed(動)従う、directive(名)指示、alleviate(動)緩和する、crunch(名)不足

ミニ解説)「One in four companies(4社のうち1社)」は、英文記事タイトルの「25% of firms」を言い換えた表現です。

「as part of efforts(取り組みの一貫として)」を受けるのが、to不定詞に導かれた「alleviate a manpower crunch」と「 ease pressure on the social security system」の2つです。

後半の「ease」は「軽減する」という意味の他動詞です。

定年の廃止や引き上げ・業務委託制度の導入を提案

The amended law states / that this can be accomplished / by abolishing or raising the retirement age, / re-employing those / past the mandatory retirement age / or commissioning such individuals / to perform particular tasks. :「THE ASAHI SHIMBUN」 より

和訳例)改正された法律は述べている、/ これは達成が可能であると、/ 定年の廃止や引き上げ、/ 人々の再雇用、/ 定年後の、/ あるいは、それら個人への委託によって、/ 特定の業務を行うための。

語句の注釈

mandatory(形)義務的な、commission(動)委託する

ミニ解説)「this can be accomplished」の「this」は直前の段落の内容、すなわち、「従業員に、70歳まで就業する場を確保すること」を指しています。

「can be accomplished(達成が可能である)」を受けるのが、前置詞「by(〜によって)」に導かれた3つの動名詞です。

「abolishing or raising(廃止または引き上げ)」「e-employing(再雇用)」「commissioning(業務委託)」の3つが、達成の手段として具体的に示されています。

定年廃止と延長は良いこと?

高齢化社会の中、企業の定年廃止や延長は「熟年労働力を活かす」「キャリアの継続が生き甲斐になる」というプラス面が多いように思えます。

が、「給与の大幅カット」など、働く意欲を削ぐような仕組みがあると、まだ改善の余地ありですね。


以上、「ディクテーション課題に関連した内容」と「日本人が間違えやすい文法・表現」を抜粋して解説しました。

今週のディクテーション課題は、この解説コラムで取り上げた英文記事が土台になっています。

英文の「聞き取りのヒント」として、答案提出前に読み込んでおいてくださいね。

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英文で読む【70歳までの就業制度】”へ1件のコメント

  1. Takashima より:

    私の時はまだ定年が60歳でしたが、ちょうど定年延長が議論されていた時期で、私個人としては「せっかく大手を振って仕事を辞められるのに、勝手に定年を延ばさないでくれ!」という気持ちでした(笑)

    私の職場では定年後も働きたいと思っている方は男性の方が多い印象でした。夫は私よりも1歳上ですが、定年後は再雇用制度に応募して5年間働きました。当時は「再雇用は最長5年まで」という規定でしたので。

    でも再雇用だと、実質的に現役とほとんど同じ仕事をしても給与はほぼ半額でしたので、これは体の良い「格安労働力確保制度」ではないかと思いました。以前政府が進めた非正規雇用枠の拡大政策と同じような考え方が根底にあるような? 

    このリスニングをやっていらっしゃるのは現役世代の方が多いと思いますので、個人的な経験ですが、ご参考までに投稿させていただきました。

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