全仏オープン失格で提訴【Appeal Against French Open Default】
「2分で読めるやさしい英語ニュース」解説記事
このブログ記事では、「やさしい英語ニュース」の単語・表現・文法の詳しい解説を掲載しています。
また、音声と文字をセットにして、スピーキングとリスニングの訓練ができます。
動画版【米国発音:リスニング&スピーキング☆NZ発音:リスニング】
今回はAIキャスター2名が特別出演!英語ニュース朗読を競演してもらいました。
Step1:穴埋めディクテーション
【説明を表示】【速度:ややスロー】↑
【速度:ナチュラル】
Appeal Against French Open Default
Japanese player Miyu Kato ①( ) from the French Open women’s doubles. She ②( ) for ③( ), but was later disqualified ④( ).
▶メルマガ読者企画「穴埋めディクテーションQuiz」答案一覧と成績発表
今回のディクテーションQuizは、元記事を解説した学習コラムに答えの出ている設問が多数あります。
にもかかわらず、答案の得点が伸びなかった人は主に2つのタイプに分かれます。
1)元記事の解説コラムを読まずに取り組んだ結果、重要な内容語を聞き取れずに玉砕した。
2)「文中で初登場の可算名詞には不定冠詞 “a” を使用」という冠詞の基本原則への意識が甘い。
今後、上記2つを改善するだけでも着実にスコアがアップしますよ。
詳細はStep3の「和訳と解説」をご覧ください。
▶最優秀賞(100点):4名(タケゾーさん、ともへびさん、Hannahさん、sunflowerさん)
▶満点取得者の割合と各設問の正答率
今週の満点取得者の割合と各設問の正答率は以下の通りです。Q2は7割以上、Q3は8割以上の人が正解でした!
満点 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 |
14% | 46% | 71% | 82% | 43% |
Step2:重要単語と語句
【説明を表示】appeal /əˈpiːl/(名・動)控訴、訴える
default /dɪˈfɔːlt/(名・動)デフォルト、不履行、欠席、違反
lodge /lɒdʒ/(動)提出する、申し立てる
disqualification /ˌdɪskwɒlɪfɪˈkeɪʃən/(名)失格、資格取り消し
initially /ɪˈnɪʃəli/(副)初めは、最初に
disqualified /dɪsˈkwɒlɪfaɪd/(形)失格させられた、資格を取り消された
Step3:和訳と解説
◆ Appeal Against French Open Default 全仏オープン失格で提訴
英文記事のタイトルでは冠詞(a, an, the)やbe動詞が省略され、短い単語が使用される傾向があります。
また、このタイトルでは通常の英文の動詞にあたる部分が省略されています。
これらを補って通常の英文に直すと、次のようになります。
An appeal has been made against the default at the French Open.
英語の「appeal」は、日本語の「アピール」とは異なる意味を持ちます。
「appeal」は、今回のケースのように、「法律や裁定に対して正式な異議を唱える行為」を指すことが多いです。
一方、日本語の「アピール」は、主に「自己PR」や「魅力を伝える」といった意味で使われ、「他人に対する自己の価値や考えを積極的に示す行為」を指します。
意味の違いをしっかり区別しておきましょう。
「default」は一般的に「履不履行・違約」を意味しますが、テニスなどのスポーツの試合では、「選手がルール違反により失格となった状況」などを表します。
ここでの「default」は「disqualification」の言い換え表現として、「失格」という意味で使われています。
◆ Japanese player Miyu Kato 日本の加藤未唯選手が
「Japanese player(日本人選手の)」が形容詞として「Miyu Kato」がを修飾しています。
この部分全体で固有名詞となるため、冠詞は付けません。
加藤 未唯(かとう みゆ):日本の女子プロテニス選手。京都府京都市出身。ザイマックス所属。これまでにWTAツアーでダブルス1勝を挙げている。WTAランキング最高位はシングルス122位、ダブルス30位。身長156cm。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。2017年全豪オープン女子ダブルスベスト4進出。(Wikipediaより)
◆ lodged an appeal against her disqualification 自分の失格処分に異議を申し立てた、
「lodged an appeal」は「filed an appeal」に置き換えることが可能です。
どちらも「正式に異議申し立てを開始したこと」を表しています。ただし、微妙なニュアンスの違いがあります。
「lodge」は「訴えや申し立てを提出し、正式な記録に残す行為」に焦点を当てています。これは、元来の意味である「固定する」から来ています。
いっぽう「file」は「訴えが適切な手続きで提出され、それが記録やプロセスの一部になること」を強調しています。
が、基本的に同じ行為を指しているため、ここではどちらを使用しても問題ありません。
「lodged an appeal against her disqualification」の「lodged」は、土台となった英文記事(学習コラムとしてメルマガ内でご紹介)に出ています。
「何度も聞いたけどわかりません」というコメントが幾つかありましたが、学習コラムで重要語句として取り上げていますよ。
「her disqualification」の「her」は弱く発音する機能語なので、聞き取りの難易度がやや高いです。
が、「加藤選手の失格」という意味をきちんとつかめば、ここに「her」が入ることを容易に理解できるはずです。
◆ from the French Open women’s doubles. 全仏オープン女子ダブルスからの。
「from the French Open women’s doubles」 を 「from the women’s doubles at the French Open」 に置き換えることが可能です。
前者は「特定の部門(=女子ダブルス)」に焦点を当てており、後者は「具体的なイベント(=全仏オープン)」を強調する意味合いがあります。
◆ She initially received a warning 彼女は当初、警告を受けた、
この「warning(警告)」 は可算名詞なので、「a warning」 の “a” が文法的に必要です。
英語では、単数形の可算名詞の前には通常、冠詞(定冠詞 “the” か不定冠詞 “a / an”)が付きます。
ここでは「特定の警告」を指すものではなく、「文中で初めて登場した警告」であるため、不定冠詞 “a” を使用するのが適切です。
「received」聞き取れなかった人は、弱音から始まる単語の聞き取りが弱点だと自覚してください。
また、初めて登場する「a warning」を「the warning(その警告)」といきなり定冠詞にすると、「どの警告?」という疑問が起こります。
「warning」と無冠詞・単数にした人は、「数えられる名詞が無冠詞・単数にならないこと」を頭に入れておきましょう。
◆ for accidentally hitting a ball girl, ボールガールに偶然ボールを当てたことで、
加藤選手が失格になった理由が前置詞 “for” 以降の部分で説明されています。
試合をサポートするボールガールは複数いるため、初めて登場する際に「the ball girl(そのボールガール)」といきなり指定すると、どのボールガールを指しているのかわかりません。
また、「girl」と無冠詞・単数にした人は、「数えられる名詞が無冠詞・単数にならないこと」を意識して覚えておきましょう。
この認識が甘いまま取り組むと、毎回この手の間違いを繰り返すことになります。
なお、テニスの試合において、ボールキッズ(ボールボーイ、ボールガールとも呼ばれる)は主に以下の役割を担っています。
☑ ボールの追跡と回収: プレーが終わった後、あるいはプレーの間にコートに残ったボールを追跡し、迅速に回収すること。これにより、試合の進行がスムーズに行われ、選手がボールを拾う時間を省くことができる。
☑ ボールの供給: 選手に新しいボールを供給すること。サーブの前やゲームの途中で選手が新しいボールを必要とするとき、ボールキッズが選手に手渡すことになっている。
☑ 選手のサポート: 必要に応じて、選手にタオルを提供したり、その他の任務(例えば、傘を持つなど)を担当することもある。
いずれも、試合の流れをスムーズにし、選手が集中力を保つために重要な任務です。
が、今回の事故がきっかけで「ボールキッズ不要論」も浮上しているようです。
◆ but was later disqualified しかし、後で失格となった、
この部分の主語は、前述の “She” すなわち「加藤選手」です。
当初、主審が警告を与えただけだったのに、後で決定が覆って失格となったことを「later」で表しています。
◆ following a protest from the opposing pair. 相手ペアの抗議を受けて。
文中で「相手ペアからの抗議」が初めて登場するため、「a protest」と不定冠詞 ”a” を使用しています。
定冠詞 “the” を最初から使用すると、「その抗議」といきなり限定することになり、読者は「どの抗議?」と疑問を持ってしまいます。
いっぽう、特定の試合の対戦相手は既に限定されているため、「the opposing pair(相手ペア)」と定冠詞を使用するのが自然です。
「from the opposing pair」を「for the opposing pair」にした人は、英文の意味をよく考えてください。
抗議をしたのは相手ペアなので、「for」にすると「相手ペアに対する抗議」のように意味が逆になってしまいます。
また、「opposing pair」という表現は土台となった英文記事に出ており、学習コラムの解説にも取り上げています。
CEFRでA2やB1の人は語彙が少ないので、元記事をきちんと読まずに取り組むと、内容語を間違えてスコアが伸びません。
Step4:スラッシュ・リピーティング
【説明を表示】Step5:サイトトランスレーション
【説明を表示】Step6: 反訳トレーニング
【説明を表示】Step7:オーバーラッピング&シャドーイング
【説明を表示】【速度:ややスロー】↑
【速度:ナチュラル】↑
Step8: 高速リスニング
【説明を表示】参考記事:この英語ニュースの元記事
英文で読む【加藤未唯が全仏テニス失格で提訴】
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