大坂なおみが大荒れの全米オープン決勝でセリーナ・ウィリアムズに番狂わせ【Naomi Osaka upsets Serena Williams in stormy U.S. Open final】

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Step1:全体リーディング

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Naomi Osaka upsets Serena Williams in stormy U.S. Open final

Twenty-year-old Naomi Osaka won her first Grand Slam singles title on Saturday after defeating Serena Williams 6-2, 6-4 in the final of the U.S. Open. The match will be remembered for the way Williams clashed with the chair umpire, who issued her multiple penalties for receiving coaching, smashing her racket, and then calling him a “thief.”

Step2:重要単語と語句

upset(動)番狂わせを演じる

defeat(動)打ち負かす

clash(動)衝突する

multiple(形)多重の

penalty(名)ペナルティー

smash(動)たたき壊す

Step3:ミニ解説

◆ Naomi Osaka upsets Serena Williams in stormy U.S. Open final  大坂なおみが大荒れの全米オープン決勝でセリーナ・ウィリアムズに番狂わせ

英文記事のタイトルでは、直近の出来事を現在形で表し、冠詞を省略する傾向があります。通常の英文に直すと、次のように過去形となります。(  )が変更した箇所です。

Naomi Osaka (upset) Serena Williams in (the) stormy U.S. Open final.

動詞「upset」は不規則変化で、過去形、過去分詞形も原形と同じになります。

◆ Twenty-year-old Naomi Osaka won her first Grand Slam singles title on Saturday  20歳の大坂なおみが、土曜日に初の4大大会シングルス優勝を果たした

「Twenty-year-old(20歳の)」が形容詞句として「Naomi Osaka」を修飾しています。英文の文頭に数字が来るときは、「20」と算用数字にせず綴りを書きます。

「Grand Slam(グランド・スラム)」とは、テニスの4大大会である全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープンを指しています。このいずれかの大会で優勝することが、テニス・プレーヤーにとって最高の栄誉だとされています。

「won her title(タイトルを勝ち取った)」=「優勝した」という意味です。

◆ after defeating Serena Williams 6-2, 6-4 in the final of the U.S. Open  全米オープンの決勝戦で、セリーナ・ウィリアムズを6-2、6-4で破った後

接続詞「after」の後に主語の「Naomi Osaka」が省略されています。このように主語を省いたとき、動詞が「defeating」と動名詞に変形します。

◆ The match will be remembered for the way Williams clashed with the chair umpire  この試合は、ウィリアムズが主審と衝突した様子によって記憶されることになる

この「clash(衝突する)」は「人間どうしの意見の対立、激しい口論」を表しています。「(車が)衝突する」「(飛行機が)墜落する」の「crash」と混同しやすいので注意しましょう。

◆ , who issued her multiple penalties  (その人物は)彼女に複数のペナルティーを出した

前述の主審の行為をコンマ以降で補足説明している関係代名詞節です。

◆ for receiving coaching, smashing her racket, and then calling him a “thief”  コーチングを受け、自分のラケットをたたき壊し、そしてまた、彼を「泥棒」と呼んだことに対して

ペナルティーの根拠を前置詞「for」以下で列挙しています。

ウィリアムズ選手は、コーチングを受けたという疑惑で1回目の警告を受け、次に、サービス・ゲームをブレイクされた後のラケット破壊で1ポイントを失い、さらに、主審に激しい暴言を吐いた罰として1ゲームを失いました。

Step4:スラッシュ・リーディング

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Naomi Osaka upsets Serena Williams / in stormy U.S. Open final

Twenty-year-old Naomi Osaka / won her first Grand Slam singles title on Saturday / after defeating Serena Williams 6-2, 6-4 / in the final of the U.S. Open. / The match will be remembered / for the way Williams clashed with the chair umpire, / who issued her multiple penalties / for receiving coaching, / smashing her racket, / and then calling him a “thief.”

Step5:サイトトランスレーション

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和訳例を確認
大坂なおみがセリーナ・ウィリアムズに番狂わせ、/ 大荒れの全米オープン決勝で

20歳の大坂なおみが / 土曜日に初の4大大会シングルス優勝を果たした、/ セリーナ・ウィリアムズを6-2、6-4で破った後、/ 全米オープンの決勝戦で。 / この試合は記憶されることになる、/ ウィリアムズが主審と衝突した様子によって、/ (その人物は)彼女に複数のペナルティーを出した、/ コーチングを受け、/ 自分のラケットをたたき壊し、/ そしてまた、彼を「泥棒」と呼んだことに対して。

Step6: 反訳トレーニング

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解答をチェック!

大坂なおみがセリーナ・ウィリアムズに番狂わせ、
Naomi Osaka upsets Serena Williams

大荒れの全米オープン決勝で
in stormy U.S. Open final


20歳の大坂なおみが
Twenty-year-old Naomi Osaka

土曜日に初の4大大会シングルス優勝を果たした、
won her first Grand Slam singles title on Saturday

セリーナ・ウィリアムズを6-2、6-4で破った後、
defeating Serena Williams 6-2, 6-4

全米オープンの決勝戦で。
in the final of the U.S. Open.

この試合は記憶されることになる、
The match will be remembered

ウィリアムズが主審と衝突した様子によって、
for the way Williams clashed with the chair umpire,

(その人物は)彼女に複数のペナルティーを出した、
who issued her multiple penalties

コーチングを受け、
for receiving coaching,

自分のラケットをたたき壊し、
smashing her racket,

そしてまた、彼を「泥棒」と呼んだことに対して。
and then calling him a “thief.”

Step7:スピード音読

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Naomi Osaka upsets Serena Williams in stormy U.S. Open final

参考記事:Yahoo!ニュース

米メディア、異例の試合展開を詳報 = 優勝の大坂に同情も ─ 全米テニス

地元で開催された8日の全米オープン女子シングルス決勝について、米主要メディアは、日本選手初の四大大会優勝を遂げた大坂なおみ(日清食品)をたたえつつも、

対戦相手の元女王セリーナ・ウィリアムズ(米国)が3度の規則違反で相次ぎペナルティーを受ける異例の試合展開となったことを中心に報じた。

「涙、罵声、怒り、そして非難が大坂の見事な勝利に影を落とした」。

ニューヨーク・タイムズ紙は、主審の裁定にウィリアムズ本人や観衆が不満を募らせていく様子を詳述。

「大坂の夢は四大大会の決勝でウィリアムズと戦って勝つことだったが、こんなに激しい状況下ではなかった」と記した。

USAトゥデー紙は「恐らくこれまでで最も物議を醸した四大大会の決勝だろう」と指摘。

表彰式で観客のブーイングが飛び交う中、大坂が帽子のひさしを引き下げる様子などに触れ、「大坂は生涯の節目となる出来事をほとんど楽しむことができなかった」と同情した。

編集後記

全米オープンの女子シングルス決勝、日曜日の早朝にWOWOWで生観戦しました。

試合前の予想では、「セリーナの圧勝」「接戦でセリーナ勝利」「接戦でなおみ勝利」のどれかになるかな、と思ってましたが、いや~、まさかの展開でした。

なおみさんの完璧な王者テニスに感嘆し、セリーナ選手の常軌を逸した言動にはあきれるばかり。あふれるうれしさと腹立ちが交差する、実に後味の奇妙な試合でした。

英語実況で元テニス選手のクリス・エバートさんが発したセリフ 、

“I’ve never seen anything like this before!”(こんなのは見たことがないわ!)・・・これはまさに、全世界の視聴者が感じたことではないでしょうか。

そういう意味では歴史的な決勝戦だったといえます。

この一戦を形容する言葉として、海外ニュースで「dramatic(劇的な)」が使われていましたが、通常の激戦や死闘にはほど遠い内容だったため、メルマガでは「stormy(大荒れの)」としました。

主審のラモスさんは警告の判定が厳しめだったとはいえ、ルールに従って行動したにすぎません。

1回目の違反:警告を取る = セリーナのコーチが観客席からこっそり指示を出していた

2回目の違反:1ポイント失う = セリーナがサービス・ゲームをブレイクされてラケットを破壊

3回目の違反:1ゲーム失う = 審判に「私に謝罪して!」「泥棒!」などと暴言を浴びせた

いわば「身から出た錆」ですね。ラケットを壊したり、暴言を吐いたりしなきゃよかったんです。その経過の一部始終がこの動画にまとめられています。

セリーナの態度は実にみっともないです。彼女にずっとあこがれてきた大坂選手の目の前で、しかも晴れの決勝戦でこんな見苦しいふるまいをしてほしくなかった・・・。

今回のセリーナ選手のように、一部のトップ選手が審判に威圧的な態度を取る光景を何度か見ましたが、これは絶対に許されない行為でしょう。

背景を読み解くと、どうも、影響力の大きい人気選手の「多少の違反」を審判や運営者が許容する傾向があるらしいです。

で、今日の主審もそうだろうと甘く見ていたら、厳格に対処されて慌てたってとこでしょうか。ラモスさんが脅しに動じず職務を遂行した姿は、むしろ立派だと思います。

この騒動のせいで地元アメリカの観衆はセリーナ選手に大声援を送り、超アウェイな空気の中でプレイの続行を強いられたなおみさん・・・。

その理不尽な場外乱闘にも心を乱さず、冷静に勝ち切った強いメンタルと実力はあっぱれです。

最高のプレーで初優勝したのにお祝いムードを打ち消されて気の毒でしたが、彼女は今後、何度もグランド・スラムを制覇するでしょうから、今回のことは後日の笑い話にしてほしいです。

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