不妊手術の強制をめぐって女性が政府を提訴【Woman sues government over forced sterilization】
Step1:全体リーディング
【説明を表示】Woman sues government over forced sterilization
A woman in her 60s sued the government on Tuesday seeking 11 million yen in damages over her forced sterilization. She claimed that her human rights were violated under the now-defunct eugenic protection law.
Step2:重要単語と語句
sue(動)提訴する
sterilization(名)不妊にすること
in damages:損害賠償として
now-defunct(形)現存しない
eugenic(形)優生学の
Step3:ミニ解説
◆ A woman in her 60s sued the government on Tuesday = 60代の女性が、火曜日に政府を訴えた
人の「年代」を示す表現はこの形で覚えておきましょう。
例)a girl in her teens 10代の少女
a man in his early 40s 40代前半の男性
people in their late 60s 60代後半の人々
◆ seeking 11 million yen in damages over her forced sterilization = 不妊手術の強制をめぐって、1100万円の損害賠償を求めながら
分詞構文の現在分詞「seeking」の主語は、冒頭の「A woman in her 60s」です。「sue(提訴する)」という行為と「seek(賠償金を求める」という行為が同時に行なわれていることを示しています。
◆ She claimed that her human rights were violated = 自分の人権が侵害されたと主張した
英語の「claim」は日本語の「文句・不満をいう」とは異なるのでご注意。ここでは裁判での言い分を「主張する」という意味です。
◆ under the now-defunct eugenic protection law = 旧優生保護法のもとで
「now-defunct(現存しない)」と表現している通り、「the eugenic protection law(優生保護法)」は現在では廃止されています。
優生保護法:1948年に施行され、遺伝性疾患やハンセン病、精神障害などを理由に不妊手術や中絶を認めた。日弁連によると、全国で手術を受けた約8万4千人のうち、約1万6500人は同意なく不妊手術をされた。96年に「母体保護法」に改正され、優生手術の規定は廃止された。 (「コトバンク」より引用)
Step4:スラッシュ・リーディング
【説明を表示】Woman sues government / over forced sterilization
A woman in her 60s / sued the government on Tuesday / seeking 11 million yen in damages / over her forced sterilization. / She claimed / that her human rights were violated / under the now-defunct eugenic protection law.
Step5:サイトトランスレーション
【説明を表示】Step6: 反訳トレーニング
【説明を表示】Step7:スピード音読
【説明を表示】Woman sues government over forced sterilization
A woman in her 60s sued the government on Tuesday seeking 11 million yen in damages over her forced sterilization. She claimed that her human rights were violated under the now-defunct eugenic protection law.
参考記事:産経ニュース
不妊手術強制、国を初提訴 宮城の女性「旧優生保護法は違憲」
旧優生保護法(昭和23~平成8年)に基づき、知的障害を理由に不妊手術を強制された宮城県の60代女性が30日、「重大な人権侵害にも関わらず、被害救済のための立法を怠った」などとして、国に1100万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。
憲法が保障する幸福追求権や自己決定権、平等原則にも反するとして、違憲性も主張する。旧法をめぐる国家賠償請求訴訟は初めて。
編集後記
今回の英語ニュースは重いテーマになりました。
優生保護法の名前は聞いたことがありましたが、なんとなく、戦前・戦中の軍国主義時代のものという印象を持っていました。
なので、戦後の日本で施行され、改正されたのがやっと96年になってから、というのは衝撃でした。訴えを起こした宮城県の女性は当時、まだ15歳だったんですね・・・。
この裁判、果たしてどう決着するのでしょうか。
【中級レベルを今度こそ脱却したいあなたへ!】
英語ニュースを正確にリスニングしたい方、中級から上級へ確実にレベルアップしたい方、メルマガの「穴埋めリスニングQuiz企画」に無料で参加しませんか。
ディクテーションとは、「英文を見ずに音声を聞いて、正確に書き取る訓練方法」です。
火曜15時の〆切までにQuiz答案を提出した方を対象に無料採点をおこない、不正解箇所から、リスニングや語彙・文法などの弱点を特定します!