日本人のインディー優勝者への人種差別的ツイートで記者が解雇に【Denver sportswriter fired over racist tweet on Japanese Indy winner】
こんにちは!やさしい英語ニュースのAkiです。
では、本日の英語ニュースです。7ステップの学習メニューを順にこなしていきましょう。
Step1:全体リーディング
【説明を表示】Denver sportswriter fired over racist tweet on Japanese Indy winner
A Denver Post sportswriter lost his job on Monday after triggering a backlash on social media for tweeting that a Japanese driver’s victory in the Indianapolis 500 made him “uncomfortable.”
Step2:重要単語と語句
racist(形)人種差別主義の
tweet(動)ツイートする、ツイッターでつぶやく
trigger(動)引き金を引く
backlash(名)反発
Step3:ミニ解説
◆ Denver sportswriter fired over racist tweet on Japanese Indy winner = デンバーのスポーツ記者が日本人のインディー優勝者に関する人種差別的ツイートで解雇に
英文タイトルではbe動詞や冠詞が省略されることが多いため、以下のように補って読む必要があります。
(A) Denver sportswriter (was) fired over (a) racist tweet on (a) Japanese Indy winner
特に「fired」はbe動詞が省略された受動態なので、過去形と解釈しないよう注意しましょう。
◆ A Denver Post sportswriter lost his job on Monday = デンバー・ポストのスポーツ記者が月曜日に失職した
米国の新聞社「デンバー・ポスト」の英語表記は「The Denver Post」ですが、ここでの「Denver Post」は直後の名詞「sportswriter」を修飾する形容詞句です。冒頭の「A」は「sportswriter」にかかっており、「ある(デンバー・ポスト紙の)スポーツ記者」という意味です。
◆ after triggering a backlash on social media for tweeting = ツイートしたことに対してソーシャルメディアで反発を呼び起こした後
接続詞「after」の後に主語の「he」が省略されており、これを補うと「after he triggered a backlash…」となります。接続詞から始まる副詞節の主語が主文(ここでは冒頭の「A Denver Post sportswriter lost his job on Monday」)と同一のとき、副詞節の主語を省略して動詞を動名詞にする場合があります。
◆ that a Japanese driver’s victory in the Indianapolis 500 made him “uncomfortable.” = インディアナポリス500マイルでの日本人ドライバーの優勝が彼を「不愉快」にさせた(という内容)。
“uncomfortable”の部分がツイートされた文言の引用であることを示すため、クォーテーションマークで囲んでいます。
この部分の骨格だけを抜き出すと「a Japanese driver’s victory made him “uncomfortable”.(日本人ドライバーの優勝が彼を「不愉快」にさせた)」となります。
構造が複雑で長い英文のときは、このように主語・動詞・目的語・補語を取り出すとわかりやすくなります。
この文は「S(主語)= a Japanese driver’s victory」「V(動詞)= made」「O(目的語)= him」「C(補語)= “uncomfortable”」となり、SVOCの構文ですね。
the Indianapolis 500(インディアナポリス500マイル): アメリカ合衆国インディアナ州インディアナポリス市近郊のスピードウェイにあるインディアナポリス・モーター・スピードウェイで毎年5月に開催されるアメリカンモータースポーツイベントである。(Wikipediaより引用)
※なお、このスポーツ記者の問題のツイートは以下の通りです。
“Nothing specifically personal, but I am very uncomfortable with a Japanese driver winning the Indianapolis 500 during Memorial Day weekend,”(「特に個人的な関係はないが、メモリアルデーの週末に日本人選手がインディ500で勝ったことは、とても不快だ」)
Step4:スラッシュ・リーディング
【説明を表示】Denver sportswriter fired / over racist tweet on Japanese Indy winner
A Denver Post sportswriter / lost his job on Monday / after triggering a backlash on social media / for tweeting / that a Japanese driver’s victory / in the Indianapolis 500 / made him “uncomfortable.”
Step5:サイトトランスレーション
【説明を表示】Step6: 反訳トレーニング
【説明を表示】Step7:スピード音読
【説明を表示】Denver sportswriter fired over racist tweet on Japanese Indy winner
A Denver Post sportswriter lost his job on Monday after triggering a backlash on social media for tweeting that a Japanese driver’s victory in the Indianapolis 500 made him “uncomfortable.”
参考記事: 東洋経済オンライン
米記者の「佐藤琢磨批判ツイート」が物議 デンバー・ポスト紙は謝罪文を掲載
米国の自動車レース、第101回インディアナポリス500マイル(インディ500)で佐藤琢磨(40)が優勝したことについて、米新聞記者が批判的なツイートを投稿し、物議をかもした。
佐藤は28日の同レースで日本人初優勝を達成。これに対し、米紙デンバー・ポストのベテランスポーツ記者、テリー・フレイ氏は「個人的な批判をするつもりはないが、メモリアルデー(戦没者追悼記念日)の週末に日本人ドライバーがインディ500で優勝したことはとても不愉快」とツイートした。
しかし同氏はソーシャルメディア上の反応を受け、同日に「佐藤琢磨に謝りたい」とツイート。「第二次世界大戦での敵国のひとつ(日本)を引き合いに出したのは馬鹿げていた」と謝罪した。かつて同氏の父親が日本軍と戦ったのだという。
編集後記
インディ500に佐藤琢磨選手が優勝したという偉業を先日の報道で知った後、まさかこんな展開になるとは意外でした。今はSNSで情報が拡散する時代ですから、こういう不用意な発言は命取りですね。
「戦没者追悼記念日にはアメリカ人に優勝してほしかった」というのが記者の本音だったのでしょうが、何しろ表現がまずかったです。
このニュースは多角的な切り口からディスカッションできそうなので、私の時事英語教室の授業でも近いうちに取り上げる予定です。
では、また次回の英語ニュースでお会いしましょう。
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