英文で読む【米最高裁:大学入試の人種考慮は違憲】
アメリカの連邦最高裁判所が、入学選考で黒人などの人種を優遇してきた措置を「憲法違反」と判断しました。
「社会の多様性を反映させる取り組みを尊重すべきだ」という意見もあり、この判決には賛否両論が出ています。
今週の穴埋めリスニングQuizは、この話題についての「NHK World Japan」の英文記事を土台に作成しました。
使われている語彙や表現を学び、ディクテーション課題に取り組む際の参考にしてくださいね。
英文記事で読み解く「米最高裁:大学入試の人種考慮は違憲」
取り上げる英文記事はこちらです。
こちらは、同じテーマを扱った和文記事です。
“入学選考で人種考慮は違憲” 米最高裁判断 影響は :NHK News Web
※一定期間を過ぎると、記事が削除されている場合があるのでご了承ください。
今回の学習コラムでは、英文記事から一部の段落を抜粋しました。
英文読解の参考となるよう「和訳例」「重要単語」「ミニ解説」を入れています。
また、和訳は、英語の流れに沿って訳す「サイト・トランスレーション」形式にしました。
では、英文記事を順に読み解いていきましょう。
米国連邦最高裁が「入学選考の積極的差別是正措置」を違憲と判断
College administrators across the US / have tried for decades / to reflect the diversity of society on campus.
They have used race / as a factor / in admitting new students / as part of a program / known as affirmative action.
But on Thursday, / justices on the Supreme Court / struck down such policies / as unconstitutional. :「NHK World Japan」 より
和訳例)米国の大学の運営側は、/ 何十年にもわたって努めてきた、/ キャンパス内で社会の多様性を反映させるよう。
彼らは人種を使用してきた、/ 要因として、/ 新しい学生を受け入れる際に、/ プログラムの一部として、/ 積極的差別是正措置として知られる。
しかし、木曜日に、/ 最高裁判所の判事たちは、/ このような政策を判断した、/ 憲法違反として。
administrator(名)管理者、diversity(名)多様性、affirmative action(名)積極的差別是正措置、justice(名)判事
ミニ解説)「affirmative action」とは、アメリカの大学の入学選考で導入されていた「積極的差別是正措置」を表しています。
長年、不平等な待遇を受けてきた黒人など少数派の人々に対して、教育や雇用などの機会を積極的に与えるのが目的です。
「affirmative action」は、1960年代に黒人への差別撤廃を求める公民権運動を経て導入されたものです。
この措置を導入した大学では、「合格定員の中に一定の枠を設ける」等の方法で優遇措置を取ってきました。
学生グループが「白人とやアジア系アメリカ人への差別だ」と大学を提訴
A group called Students for Fair Admissions / filed lawsuits / against Harvard University and the University of North Carolina.
They claim / the schools admitted Black and Hispanic students / who were “unqualified” / and “discriminated” against white and Asian-American applicants.:「NHK World Japan」 より
和訳例)「公平な入学選考を求める学生たち」というグループは、/ 訴訟を起こした、/ ハーバード大学とノースカロライナ大学を相手取って。
彼らは主張している、/ これらの学校が黒人やヒスパニックの学生を受け入れたと、/「(入学する)資格のない」、/ そして「差別している」と、白人やアジア系アメリカ人の出願者を。
claim(動)主張する、unqualified(形)資格のない、
ミニ解説)2つ目の英文の「discriminated」は過去形の自動詞であり、受け身の過去分詞ではありません。「discriminated」の主語は「who」ではなく「the schools」です。
この英文は、次のように理解することができます。
彼ら(=訴訟を起こした学生たち)は、学校が「入学する資格のない(unqualified)」黒人とヒスパニックの学生を受け入れ、白人とアジア系アメリカ人の出願者に対して「差別した(discriminated against)」と主張している。
以上、今回は「ディクテーション課題の背景知識」を養う英文記事を取り上げました。
今週のディクテーション課題は、この解説コラムで取り上げた英文記事が土台になっています。
英文の「聞き取りのヒント」として、答案提出前に読み込んでおいてくださいね。
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