モスクワ進軍後、プリゴジンがベラルーシに【Prigozhin in Belarus after Moscow March】
「2分で読めるやさしい英語ニュース」解説記事
このブログ記事では、「やさしい英語ニュース」の単語・表現・文法の詳しい解説を掲載しています。
また、音声と文字をセットにして、スピーキングとリスニングの訓練ができます。
動画版【米国発音:リスニング&スピーキング☆英国発音:リスニング】
Step1:穴埋めディクテーション
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【速度:ナチュラル】
Prigozhin in Belarus after Moscow March
Yevgeny Prigozhin, Wagner Group founder, appeared in Belarus ①( ) Moscow. Belarusian President Lukashenko ②( ) and ③( ) Wagner troops.
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今回のQuizも難易度が低く、英検2級レベルのリスニング力があれば満点を取れる内容でした。
機能語の小さなミスはさておき、内容語を間違えた人は、不正解の原因を探って正解できるようにしておきましょう。
▶最優秀賞(100点):17名(Yolandaさん、Sonnyさん 他)
なんと、答案提出者の半数以上が満点でした!皆様、おめでとうございます。
▶満点取得者の割合と各設問の正答率
設問がやさしく音声もゆっくりだったので、Q1は約9割、Q2とQ3も7割以上の人が正解でした!
満点 | Q1 | Q2 | Q3 |
53% | 88% | 75% | 72% |
Step2:重要単語と語句
【説明を表示】Belarus /ˌbel.əˈruːs/(国名)ベラルーシ
Belarusian/ˌbel.əˈruːsiən/(形)ベラルーシの
confirm /kənˈfɜːrm/(動)確認する、承認する
abandon /əˈbændən/(動)放棄する、見捨てる
troop /truːp/(名)軍隊、一団
yev-GEN-ee – prih-GOH-zhin
Step3:和訳と解説
◆ Prigozhin in Belarus after Moscow March モスクワ進軍後、プリゴジンがベラルーシに
英文記事のタイトルでは冠詞(a, an, the)やbe動詞が省略され、短い単語が使用される傾向があります。
これらを補って通常の英文に直すと、次のようになります。
Yevgeny Prigozhin is in Belarus after leading a march on Moscow.
エフゲニー・プリゴジンは、プーチン大統領に重用されていた人物。
アフリカ、シリア、ウクライナでの戦争犯罪で告発されているロシア支援の傭兵組織「ワグネル・グループ」、および2016年と2018年のアメリカ大統領選挙に関与し告発された3つの企業ネットワークを統括する。
ワグネルグループの師団をまとめ指揮する軍人としての面ももつ。(Wikipediaより)
◆ Yevgeny Prigozhin, Wagner Group founder ワグネル・グループの創設者であるエフゲニー・プリゴジンが、
数えられる名詞「founder」の前に冠詞を置かない用法は、「肩書や役職を説明する形式の1つ」です。
ビジネスや報道でよく見られる形式で、名前と共に、その人物の役割や地位を簡潔に示すために使われます。
例: Barack Obama, former US President, gave a speech.
ただし、定冠詞「the」を前に置く用法も、文法的には間違っていません。
ワグネルは、ロシアのサンクトペテルブルクに本部を置く、同国の準軍事組織である。民間軍事会社、傭兵ネットワーク、「ウラジーミル・プーチンの事実上の私兵」とも表現され、ロシア系PMCの先駆けである。(Wikipediaより)
◆ appeared in Belarus. ベラルーシに姿を現した。
ベラルーシは、東ヨーロッパの共和制国家。首都はミンスク、人口約945万人。ソ連崩壊により1990年に独立宣言を行い、1991年に正式国名をベラルーシと定めた。2000年以来、ベラルーシ・ロシア連合国家の加盟国である。(Wikipediaより)
◆ after leading a march on Moscow. モスクワに進軍した後。
「a march on Moscow」と「a march in Moscow」の意味の違いに注意しましょう。
■a march on Moscow:この「on」は、「攻撃や抗議の対象」を示すために使われます。ここでは「モスクワへの進軍」を意味してしています。モスクワをめざして進軍したものの、途中で中止したため市内には入っていません。
■a march in Moscow:この「in」は「場所」を示す一般的な使い方で、「モスクワ市内で行われるパレードや記念行事の行進」なども含まれます。
「march(進軍)」の話は本文中で初めて登場するため、「leading a march」と不定冠詞にするのが自然です。
「leading the march(その進軍を率いて)」といきなり限定すると、読者は「その進軍」が何を指すのかわかりません。
世界的に報じられているニュースであっても、「初出のときは不定冠詞を使用する」という原則は同じです。
「a march on Moscow」の前置詞は、学習コラムの解説で取り上げたので、さすがにほとんどの人が正解でした。おひとりだけ「in」と書いていました。
学習コラムのヒントがなければ、この間違いが続出したかもしれません。
◆ Belarusian President Lukashenko ベラルーシのルカシェンコ大統領は、
肩書の「Belarusian President」が形容詞として人名の「Lukashenko」を修飾しており、全体で固有名詞となるため冠詞を付けません。
アレクサンドル・グリゴリエヴィッチ・ルカシェンコは、ベラルーシの政治家。また、ロシア・ベラルーシ連盟国の初代最高国家会議議長でもある。「ヨーロッパ最後の独裁者」という異名を持つ。(Wikipediaより)
◆ confirmed his arrival 彼の到着を確認し、
代名詞の所有格「his」は前述の「Yevgeny Prigozhin」を指しています。
「confirmed his arrival 」の所有代名詞「his」は弱音の機能語であり、冒頭の[h]の音が特に聞き取りにくいです。
が、文脈から考えると、これは当然「プリゴジン氏の到着」を意味していると容易に想像できます。
「confirmed the arrival」も文法的に間違いではないものの、「その到着」の「その」が何を指すのか不明なままです。
弱音の「his」を聞き取るには、中級以上の文法力・読解力が必要です。
◆ and offered an abandoned base to Wagner troops. 廃棄された基地をワグネルの部隊に提供した。
「an abandoned base(廃棄された基地) 」は、ヒントの学習コラムで「the use of an abandoned base」と同じ形で取り上げています。
以下、基本的な文法力・読解力の不足した初級者にありがちな典型的な間違いを挙げておきます。
「offer」と現在形にした人は、前後の意味をきちんと考えましょう。文脈上、「offered」と過去形にしないと不自然です。
「abandon」は動詞なので、「abandon base(動詞+名詞)」という形でつなげることはできません。
「base(基地)」は可算名詞ですから、無冠詞単数では使えません。
Step4:スラッシュ・リピーティング
【説明を表示】Step5:サイトトランスレーション
【説明を表示】Step6: 反訳トレーニング
【説明を表示】Step7:オーバーラッピング&シャドーイング
【説明を表示】【速度:ややスロー】↑
【速度:ナチュラル】↑
Step8: 高速リスニング
【説明を表示】参考記事:この英語ニュースの元記事
英文で読む【プリゴジンの反乱】
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