米研究所「クレムリンのドローン攻撃はロシア国内発か」【US Think Tank: Kremlin Drone Attack Likely Domestic in Origin】
今回の英語ニュースのディクテーションQuizは、満点の正解者が意外と少人数でした。
「弱音の冠詞」や「難易度高めの語彙」の聞き取りに苦労した方が多かったようです。
「2分で読めるやさしい英語ニュース」解説記事
このブログ記事では、「やさしい英語ニュース」の単語・表現・文法の詳しい解説を掲載しています。
また、音声と文字をセットにして、スピーキングとリスニングの訓練ができます。
動画版【米国発音:リスニング&スピーキング☆英国発音:リスニング】
Step1:穴埋めディクテーション
【説明を表示】【速度:ややスロー】↑
【速度:ナチュラル】
US Think Tank: Kremlin Drone Attack Likely Domestic in Origin
A US think tank suggests that the ①( ) within Russia. The institute asserts it’s ②( ) Moscow’s air defenses, ③( ) for ④( ).
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▶答案提出者の正答率
今週の満点取得者の割合と各設問の正答率は以下の通りでした。
満点 | Q1 | Q2 | Q3 | Q4 |
17% | 56% | 72% | 61% | 28% |
設問4の正答率が3割弱とやや低く、設問2は約7割の人が正解でした!
Step2:重要単語と語句
【説明を表示】drone /droʊn/(名)ドローン、無人航空機
alleged /əˈlɛdʒd/(形)疑われる、主張された
assert /əˈsɜrt/(動)断言する、主張する
bypass /ˈbaɪpæs/(動)迂回する、回避する
societal /səˈsaɪətəl/(形)社会的な
mobilization /ˌmoʊbəlɪˈzeɪʃən/(名)動員、組織化
Step3:和訳とミニ解説
◆ US Think Tank: Kremlin Drone Attack Likely Domestic in Origin 米研究所「クレムリンのドローン攻撃はロシア国内発か」
英文記事のタイトルで、コロン(:)は「情報のソース・出所」と「詳細説明」をつなぐ役割で使用されることがあります。
ここでは「Think Tank(シンクタンク・研究所)」が情報源、右側の「Kremlin Drone Attack Likely Domestic in Origin」が詳細情報です。
また、タイトルでは説明を簡潔にし、冠詞(a, an, the)やbe動詞を省略する傾向があります。
これを通常の英文に直すと、次のようになります。
A US think tank suggests that the alleged drone attack on the Kremlin likely originated from within Russia.
※「Kremlin(クレムリン)」の説明は本文の解説↓をご覧ください。
◆ A US think tank suggests 米国のシンクタンクは示唆している
不定冠詞 「a」が使われているのは、アメリカには複数のシンクタンクが存在するためです。ここでは、そのうちの1つが見解を提案しているということを伝えています。
また、示唆している具体的な内容が後述の「that」以降に示されています。
◆ that the alleged drone attack on the Kremlin クレムリンへの疑われるドローン攻撃が
「the Kremlin(クレムリン)」は、直接的には「ロシアの首都モスクワにある政治・歴史的な建造物群」を指しますが、ニュース記事では「ロシア政府やロシアの政治権力の象徴」として使うことが非常に多いので覚えておきましょう。
アメリカの場合、「the White House(ホワイトハウス)」がこれに相当する表現です。ホワイトハウスは米国大統領の公式居住地であり、行政機関の中心地であるためです。
ニュース記事では、米国政府の意思や行動を指す際に「the White House」という表現がよく使われます。関連語句として、「the Capitol」(キャピトル)は「米国議会(上院と下院)」を指す表現です。
これらの語彙を知っておくと、政治関連の英文記事を読むときの背景知識として役立ちます。
*the Kremlin:定冠詞が聞き取りにくいですが、上級者は以下いずれかの方法で正解します。
① 語彙力が高く、定冠詞を付くことを知っている(英文タイトルでは冠詞を省略)
② 参考記事の学習コラム解説をきちんと読んでいる
◆ may have originated within Russia. ロシア国内で発生した可能性が高いと。
既に起きた出来事に対する可能性を示すときに「may have+動詞の過去分詞」を使用します。
◆ The institute asserts it’s unlikely 同研究所は考えにくいと主張している、
「同研究所」は英文で 「The institute」と表現されており、前述の米国のシンクタンクを指しています。
「it’s unlikely」の「it」は後述のthat節「that two drones could bypass Moscow’s air defenses」を指しています。
*assert:知らない人にはおそらく聞き取れない単語です。日頃からニュース英語で培った語彙力がモノをいう設問です。
◆ that two drones could bypass Moscow’s air defenses, 2台のドローンがモスクワの防空システムを突破することは、
前述の「it」の具体的な内容を説明した部分です。
◆ suggesting the possibility 可能性を示唆しながら、
分詞構文の現在分詞「suggesting」の主語は前述の「The institute」です。
◆ of a domestically launched attack 国内発射による攻撃が行われたという、
副詞は名詞以外の品詞を修飾し、形容詞は名詞を修飾します。
ここでは副詞「domestically」が過去分詞(=形容詞と同じ働き)の 「launched」を修飾し、「launched」が名詞「attack」を修飾しています。
*domestically launched attack:音だけで聞き取ろうとすると、「domestic」や「launch」という「音は似ているけれど、文法的に意味の通らない単語」を書いてしまいがちです。
正しく聞き取るには、上記で解説した「副詞・形容詞・名詞の役割」を理解する文法力が必要です。
◆ for societal mobilization. 社会動員のために。
「societal mobilization(社会動員)」とは、一般的に、「国家や政府が国民や社会全体を一つの目的に向けて組織し、行動を促すこと」を指しています。これは、戦争や緊急事態の際に、国民の支持や協力を集めるために行われる場合が多いです。
この文脈では、「この攻撃がロシア国内から発射された場合、それはロシア政府が社会を動員し、国民の一体感を高めるための戦術として行われた可能性がある」という意味です。
※「societal mobilization」と「social mobilization」の違い:
「societal mobilization」は、「社会全体が関与し、集団的な努力を通じて社会的な変化をもたらすプロセス」を表します。
一方、「social mobilization」は、「特定の社会的問題(例えば、貧困や教育の不平等)に対して個々の人々やグループを動員すること」を指すのが一般的です。
この記事の文脈では、ロシア全体の社会的な動きや変化を指しているため、「societal mobilization」のほうが適切です。
Step4:スラッシュ・リピーティング
【説明を表示】Step5:サイトトランスレーション
【説明を表示】Step6: 反訳トレーニング
【説明を表示】Step7:オーバーラッピング&シャドーイング
【説明を表示】【速度:ややスロー】↑
【速度:ナチュラル】↑
Step8: 高速リスニング
【説明を表示】参考記事:この英語ニュースの元記事
英文で読む【ドローン攻撃は露の自作自演か】
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