ジョージ・フロイドの抗議活動が全米に拡散【George Floyd protests spread across the US】
反復用:動画で通訳トレーニング
Step1:全体リーディング
【説明を表示】George Floyd protests spread across the US
Protests have erupted across the United States over the death of George Floyd last Monday. A Minneapolis police officer was filmed keeping his knee pressed into the neck of the black man, who repeatedly pleaded he couldn’t breathe.
Step2:重要単語と語句
protest(名)抗議活動
erupt(動)勃発する、噴火する
plead(動)訴える、懇願する
breathe(動)呼吸する
Step3:ミニ解説
◆ George Floyd protests spread across the US ジョージ・フロイドの抗議活動が全米に拡散
この英文タイトルは非常に英語的な言い回しで、日本語に直訳しにくい箇所です。
「George Floyd(ジョージ・フロイド)」は騒動の発端となった事件で犠牲となった黒人男性の名前です。
本人が死亡しているため、「George Floyd protests」=「ジョージ・フロイドのための」という意味合いです。
英文記事のタイトルでは最近起こった過去の出来事を現在形で表し、冠詞やBe動詞を省略する傾向があります。
通常の英文に直すと以下のようになります。( )が変更・補足した箇所です。
George Floyd protests (has) spread across the US.
時制を現在完了形にすると上記のようになります。
ただし、動詞「spread(広がる)」は不規則変化で「spread-spread-spread」と同じ形になるため、過去形で表す場合は英文タイトルと同じ形です。
◆ Protests have erupted across the United States 抗議活動がアメリカ全土で勃発した
抗議活動が現在まで続いていることを示す現在完了形です。
アメリカ初の英文記事では「across the country(全国で)」という記述になっていました。
◆ A Minneapolis police officer was filmed あるミネアポリスの警察官が撮影された
「Minneapolis」は形容詞的な用法で「ミネアポリスの」という意味になり、名詞「police officer」を修飾しています。
◆ keeping his knee pressed into the neck of the black man 自分の膝でその黒人男性の首を圧迫する様子を
「keep A B(AをBの状態にしておく)」というSVOC(主語+動詞+目的語+補語)の構文で、Aには名詞、Bには形容詞(現在分詞、過去分詞を含む)が入ります。
ここでは「A=his knee」「B=pressed」がそれぞれ該当します。
この部分を直訳すると「自分の膝がその黒人男性の首に押し付けられた状態を保って」となりますが、少しわかりにくいため上記のように意訳しています。
◆ , who repeatedly pleaded he couldn’t breathe (その男性は)息ができないと繰り返し訴えていた
前述の「the black man」の状況を間接話法で補足説明しています。
この男性が”I can’t breathe!(息ができない!)”と何度も訴える様子が目撃されたそうです。
Step4:スラッシュ・リーディング
【説明を表示】George Floyd protests spread across the US
Protests have erupted across the United States / over the death of George Floyd last Monday. / A Minneapolis police officer was filmed / keeping his knee pressed into the neck of the black man, / who repeatedly pleaded he couldn’t breathe.
Step5:サイトトランスレーション
【説明を表示】Step6: 反訳トレーニング
【説明を表示】Step7:スピード音読
【説明を表示】George Floyd protests spread across the US
Protests have erupted across the United States over the death of George Floyd last Monday. A Minneapolis police officer was filmed keeping his knee pressed into the neck of the black man, who repeatedly pleaded he couldn’t breathe.
参考記事:CNN.co.jp
米黒人死亡事件、元警官を第3級殺人で訴追 ミネアポリスに夜間外出禁止令
https://www.cnn.co.jp/usa/35154574.html
ミネアポリス(CNN) 米ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性が警官による暴行で死亡した事件で、地元検察は29日、ひざで首を押さえつける様子が動画に映っている元警官を第3級殺人の疑いで訴追した。
ミネアポリスでは抗議デモが激化しており、市長はこの日、夜間外出禁止令を発出した。
免職となった元警官のデレク・ショービン容疑者は第2級故殺の疑いでも訴追された。
一方、黒人男性ジョージ・フロイドさんの遺族と弁護士は、もっと重い罪状が適用されなかったことに不快感を表明した。
編集後記
前回に引き続き、今週もコロナウイルス関係ではない英語ニュースを取り上げました。
とはいえ、またもや「黒人男性が理不尽な仕打ちで死亡する」という悲しい出来事がアメリカで起きてしまい、心が痛みます。
先週のCNNでは、この話題がトップニュースとして多くの番組で報じられていました。
中でも、抗議デモの途中で取材に応じた黒人男性の言葉が忘れられません。
“The same thing has happened over and over and over again!”
まさに”I’m sick and tired of it.(もううんざりだ。いい加減にしてくれ)”と言いたげな口調でした。
思えば、私が時事英語を学び始めた1990年代から同様の事件を何度も耳にした気がします。
時が流れ、感染症の世界的大流行という異常事態の中でも、人種差別というアメリカの抱えた闇が変わらないんだな、と思い知らされました。
さらに心配なのは、デモ参加者の一部が暴徒化し、あちこちの店舗で略奪行為が起こっていることです。
コロナ渦の”stay home”期間が長引いて鬱憤がたまっているのかもしれませんが、ここまでくると、事態の収拾は容易ではないですね。
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