「布マスク配布論争」でTweetされた意外な事実
第4回目の最終回は、新型コロナ騒動のさなかで生き抜くための情報収集と処理能力について。
日本の安倍総理が「布マスクを全世帯に2枚ずつ配布する方針」を表明したのを受けて、国内外で批判的な報道が目立っています。
まずは、4月2日付のYahooニュースから。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200402-00000035-asahi-sctch
新型コロナウイルスの感染拡大防止の一環で、安倍晋三首相が洗濯して繰り返し使える布マスクを5千万余りある全世帯に2枚ずつ配る方針を表明した。
スーパーなどでの品薄は依然解消されず、政府が頭を悩ますマスク不足への対策だが、ネット上だけでなく政府・与党内でも賛否が飛び交っている。
ツイッターでは、アベノミクスをもじった「#アベノマスク」というハッシュタグがトレンドランキングの1位に。
「洗えば何度でも使える」「もらえるだけありがたい」といった感謝の投稿だけでなく、「#マスク2枚でごまかすな」もトレンド入りして、「マスクよりも休業補償を」などの声も広がる。
海外に目を向けると、同じ日に書かれたCNNの記事がこちら。
https://edition.cnn.com/2020/04/02/asia/japan-coronavirus-shinzo-abe-masks-hnk-intl/index.html
Anger as Japanese Prime Minister offers two cloth masks per family while refusing to declare coronavirus emergency
Japanese Prime Minister Shinzo Abe is facing a public backlash after he said the government would distribute two reusable cloth face masks per household amid growing concern over medical shortages as the country faces a worsening coronavirus outbreak.
But Abe’s proposal to send two masks to each household attracted outrage and mockery online Wednesday, with the hashtag “Abe’s mask” and “screw your two masks” trending on Twitter.
こんな感じで、日本政府の方策を「役に立たない」と切り捨てる報道や意見が多いため、私も最初、そのように感じていました。
なので、(Twitter上でもさぞかし炎上してるんだろうなあ)と予想して「cloth mask」で検索したところ、なんと、意外な事実が発覚!
「WHOは布マスクを全く勧めていない」と主張する人たちがいるいっぽう、「それは医療従事者に向けたもので、一般的にはむしろ推奨されている」と反論する意見がけっこうあったのです。
実際、3月末に発行されたWHOの資料(上から5項目)に下記の記述がありました。
一般の人々への勧告と助言 :体調が悪い場合は、布または紙のマスクを着用してください。 N95マスクは供給が限られているため、使用しないでください。 医療従事者にとって必要不可欠なものです。
また、次の記事でも、「医療用マスクが不足している場合の代用品」として布マスクを勧めているようです。
これらの資料を見る限り、一概に「布マスクがダメだ」とは断言できない気がするのです。
もちろん、郵送費をかけて「一律に各家庭に配るのがいいのかどうか」は大いに疑問ですが。
この件を通じて感じたのは、物事を冷静にみきわめる情報収集力が非常に大事だということ。
よく調べもせずに、出所の明らかでない情報を鵜呑みにするのは危険でさえあります。
また、日本語で検索した場合は「日本人の意見」「国内の報道」しか知ることができませんが、英語で検索すると、世界中の人たちの考えや外国の報道に触れることができます。
ときには、日本での常識が国際的には通らないこともあり、バランス感覚や幅広い視野を養うために「英語を直接理解する能力」が不可欠だと改めて感じました。
そういえば、さっきGoogleニュースを英語で検索したときにヒットしたのが、こちらのYouTube動画です。
先日取り上げたニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が、いつもの記者会見の終わりに、新型コロナに感染した弟のクリス(CNNキャスター)について触れた場面です。
See Gov. Cuomo’s heartfelt message to his ‘little brother’ and ‘best friend’ Chris
弟から「陽性反応が出た」と知らされたときの「ショックと恐怖感」を、包み隠さず語っている様子が胸に刺さります。
– There is no super hero who is immune from this disease.
– I couldn’t protect my own brother.
– When he told me he had the coronavirus, it scared me … It frightened me.
– It is frightening because there is nothing I can do.
(※心に残った発言の一部抜粋です。)
クオモ知事が抱いたこの「恐れおののく気持ち」は、世界中の人々に当てはまるものではないでしょうか。
誰であれ「自分だけは絶対に感染しない」とは断言できないでしょうし、身近な人が罹患したら本当につらいでしょうから。
「新型コロナと人類の闘い」がまだまだ続く中、最後にこのメッセージで締めくくりたいと思います。
Stay home, save lives, and don’t be a covidiot!
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