血縁のない父子関係を最高裁が支持 【2014年07月21日】
Top court upholds non-genetic paternity
Step1>> 英語ニュース全体をリーディング
最初に英語ニュース全体を通して読み、だいたいの意味をつかみます。この段階では単語や構造、文法の疑問点があってもかまいません。
Top court upholds non-genetic paternity
The Supreme Court on Thursday ruled that legal paternity according to the Civil Code cannot be revoked even if DNA testing shows no biological relationship between father and child.
Step2>> 重要単語と語句
uphold(動詞):支持する
genetic(形容詞):遺伝子の
paternity(名詞):父であること
revoke(動詞):取り消す
biological(形容詞):生物学の
Step3>> 頻出表現と文法のミニ解説
◆ The Supreme Court on Thursday ruled
= 最高裁判所は木曜日に判決を下した
英語ニュースのタイトルで使用した「Top court」も「最高裁判所」を意味します。タイトルでは通常、冠詞を省略します。
同じ単語の繰り返しを避けるため、本文では「The Supreme Court」と表現しています。日本の最高裁判所は1つしかないので、固有名詞扱いで大文字で表記します。
類似表現も合わせて覚えておきましょう。
・the district court 地方裁判所
・the high court 高等裁判所
◆ legal paternity according to the Civil Code cannot be revoked
= 民法による法的な父子関係を取り消すことはできない
「paternity(父であること)」の対になる単語は「maternity(母であること)」です。日本語でも「マタニティー・ドレス(妊婦服)」という言葉がありますね。
民法による法的な父子関係とは、「妻が婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定する」と定めた民法の規定(嫡出推定)を指しています。
Step4>> スラッシュ・リーディング ~ 区切り読みしてみよう
英文を頭から理解できるよう、意味のかたまりごとにスラッシュ「/」で区切って読んでいきます。ひとつの区切りから次へ進むときに(誰が → 何をした → なぜ)というように、続く内容を予想しながら読むのがコツです。
Top court upholds / non-genetic paternity
The Supreme Court / on Thursday ruled / that legal paternity / according to the Civil Code / cannot be revoked / even if / DNA testing shows / no biological relationship / between father and child.
Step5>> サイト・トランスレーション ~ 頭から順に和訳してみよう
スラッシュで区切った上の英文テキストを見て、区切りごとに日本語に訳していきます。後ろから返り読みせず、頭から読み進めるようにしてください。まず自分でサイトラをしてから、下の和訳例を見て比べてみましょう。
<和訳例>
最高裁が支持、/ 血縁のない父子関係を
最高裁判所が / 木曜日に判決を出した、/ 法的な父子関係は、/ 民法による、/ 取り消すことができないと、/ たとえ / DNA検査が示したとしても、/ 生物学上の関係がないことを、/ 父と子の間に。
Step6>> リプロダクション ~ 和文から元の英文を再生してみよう
今度は逆に、スラッシュで区切った上の日本語テキストを見て、元の英文テキストを思い出しながら順に英語を再生していきましょう。
<解答をチェック!>
最高裁が支持、
Top court upholds
血縁のない父子関係を
non-genetic paternity
-----------------------------------------------------
最高裁判所が
The Supreme Court
木曜日に判決を出した、
on Thursday ruled
法的な父子関係は、
that legal paternity
民法による、
according to the Civil Code
取り消すことができないと、
cannot be revoked
たとえ
even if
DNA検査が示したとしても、
DNA testing shows
生物学上の関係がないことを、
no biological relationship
父と子の間に。
between father and child.
Step7>> スピード音読 ~ 仕上げ読みしてみよう
最後に、英文テキストをできるだけ速く音読してください。読みながら意味が頭にすっと入ってきたらOKです。
Top court upholds non-genetic paternity
The Supreme Court on Thursday ruled that legal paternity according to the Civil Code cannot be revoked even if DNA testing shows no biological relationship between father and child.
※参考記事: ニュースの背景知識を深めよう
~asahi.com より~
DNA鑑定だけで父子関係取り消せず 最高裁が初判断
DNA型鑑定で血縁がないと証明されても、それだけで一度決まった父子関係を取り消すことはできない。
最高裁第一小法廷(白木勇裁判長)は17日、3家族が争ってきた裁判の判決で、そうした判断を初めて示した。血縁よりも「子の法的な身分の安定」を重視した。
5人の裁判官のうち、2人はこの結論に反対した。父子関係を116年前に定義した民法の「嫡出(ちゃくしゅつ)推定」=KM=が、現代の科学鑑定で否定されるかが最大の争点だった。
この日の判決では複数の裁判官が、新たなルール作りや立法などを求める意見を出しており、親子関係をめぐる議論が高まりそうだ。
編集後記
今回は英語ニュースに取り上げたい話題が幾つかあり、どれを扱うかちょっと悩みました。
中でもDNA関係に関する最高裁判決はめったにないことなのでこちらを採用しましたが、岡山の不明女児が無事保護されたこと、ウクライナ上空でのマレーシア機撃墜も候補でした。
マレーシア機の撃墜は今後も続報がいろいろ出てくるでしょうから、タイミングが合えば改めて取り上げる予定です。
DNA鑑定と父子関係の判断は難しいところですね。
子供の身になったら、お父さんが二人いることで繊細な心が混乱し、傷つくような事態を起こすのは親ができる限り避けるべきだと思いますが。
自分の子供時代を思い起こすと、きょうだい3人がそろって父親似で、平穏な毎日を送っていたことをあたりまえのように感じていました。
が、実はそれが幸せな家庭環境だったんだな、と今さらながら両親に感謝しています。
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